第134話 城門では

「中の安全を確認せねば門は開けられん! しばし待っとれ!!」


 城門は閉まっていた。スキルがあれば無理やりにでも開けられたんだろうけど今は無理だ。


 他の人からも

「さっきから何が起きてるの?」

「何の声?」

「開けてくれないと届ける荷物が‥‥‥」


「だから今確認しとる! 待てというとろうが!!」



グワォオオーーーーーーン!!


「ほら!? なんやねん、この鳴き声みたいの」

「ドラゴンだったりしてな」

「バカ、知らねぇのか? ドラゴンはこの間討伐されたんだぞ」


「知っとるわ、ワイは見たからな。死体やったけど‥‥‥」

「アレやろ、エルフの姉ちゃんが弓で倒したんやろ?」

「首切られてねん、死体は」


「ええ? エルフの姉ちゃんが倒したって」

「弓矢でどうやって首切るんや?」


 まるで三人漫才みたいな会話だな。


「「ぎゃあーーーーーー!!!」」


 城壁の内側から妙な叫び声が聞こえた。


「お‥‥‥、おい? 大丈夫なのか?」

 不安になった一般人が門番に問い詰める。


「う‥‥‥、うむ。少し確認してくる」

 門番も行っちゃった。いいのかよ?


「ハァアアア!!!」


 また別の声が‥‥‥。ってこの声は聞き覚えがある。


 バカ王子の声だな。

 何やってんだ?


 と、思ったら王子の剣が城壁を超えて飛ばされて来た。


このままじゃ誰かに当たる!! 危ない!!


 俺はいつものように手を翳して止めようとした瞬間気付いた。


 スキルを封印されてるじゃん。ダメじゃん。


 このままじゃ誰かに当たる!! 


 ‥‥‥‥‥‥!!


 だが剣は宙に止まっていた。

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