第129話 ドラゴン討伐後②
「お主達がドラゴンを倒したのか?」
兵士たちが集まってきた。さっきまでいた人たちとは違うな。
「せやで。ワイは冒険者ハンジロー、こっちが同じくカエデや」
「俺たちも冒険者、アウルム、シルヴィア、アリスだ」
「ご協力誠に感謝いたします。是非城にお越しください。将軍にご報告致しますので」
「そやな。ほな行こか?」
兵士たちが案内してくれる。
「しかし、アウルム達とおっただけやのにお城にまで入れるなんて‥‥‥、ワイらツイとるなぁ?」
「このタイミングでこの国に来てくれてホンマに助かったわ」
「たまたまだよ。俺たちは米が欲しくて来ただけなんだから」
ーーーーーーーーーーーー
王城に着いた。今までの西洋風の城でなく日本風の城だ。本当に日本みたいだな。
「ここで入城の検査を受けます。王族、貴族以外には例外はありません」
「わーっとる、アウルム達はそっちな」
「はい、こんにちは〜。って貴様!!」
え? 誰!? いきなり凄まれたんだけど。
「あの‥‥‥、どちら様でしたっけ?」
「貴様、忘れたというか!!」
やべぇな、全然思い出せないぞ。
アリスがこそっと耳打ちする。
「この前、サターン号のとこに来た人じゃない?」
あぁ、そうかもしれない。問答無用でかかって来た人だわ。
「貴様、魔王であろうが! 何故こんなところにおるんや!?」
魔王!? なんで!!?
ざわざわ‥‥‥ざわざわ‥‥‥
あぁ、でかい声で叫ぶから目立っちゃうじゃないか。やめて欲しい。魔王じゃないし‥‥‥
「あのー、何故私が魔王なんですか?」
「貴様、自分で言ってたやろが!!」
?? 何を言ってるのかさっぱりわからない。
思い出せないなぁ?
「とにかく貴様のような不審人物を将軍閣下に会わせる訳にはいかん! さっさと帰れ!!」
「兵士長‥‥‥、(ごにょごにょ)」
「何!? ぐぬぬ‥‥‥、仕方ない、通れ!! 無礼を働くでないぞ!」
何を言われたのだろうか?
いきなり通っていい事になった。
無礼って‥‥‥、アンタが一番無礼だろ。
「将軍閣下はこちらです」
「なんや、アウルム。なんか疲れてへん?」
「いや、まぁちょっといろいろありまして‥‥‥」
なんだか説明するのもだるい。
将軍様に会った後はまぁ普通に帰れるだろう。
「閣下、彼らをお連れしました!!」
「入れ!」
「失礼します」
「おお、君たちか!? ドラゴンを倒してくれたのは! ありがとう! さぁ、掛けてくれたまえ」
将軍閣下はロマンスグレーのシュッとしたイケオジだった。
「ヤポン王国軍を率いているカールだ。この度は本当にありがとう。まさかドラゴンが目覚めるとはな‥‥‥」
「冒険者のアウルムです。こちらは妻で仲間のシルヴィアとアリスです」
「ワイらは知っとるやろ。冒険者のハンジローとカエデや」
「おぉ、『鬼狩りハンジロー』だな! もちろん知っておるぞ。『聖炎のカエデ』もな」
さすが有名人だな。カエデの二つ名は初めて聞いたけど。
「将軍!! 王子が‥‥‥」
「何ぃ!? もう嗅ぎつけたのか? 全く‥‥‥、すまないな。あのバカ王子にバレる前に済ませようとしたのに‥‥‥!!」
バカ王子?
将軍なのにそんな事言っていいのか?
すると唐突にドアが開く!!
「我が参ったぞ!」
そこにいたのは‥‥‥一目でわかる残念な王子様だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます