転生無双の金属支配者《メタルマスター》

第128話 ドラゴン討伐後

「あ、そうだ！　あいつら‥‥‥」

　忘れていた、魔族たちの存在を。

「‥‥‥‥‥‥殺せ‥‥‥」

「‥‥‥もう‥‥‥いい‥‥‥」

　いかに魔族の生命力、再生力が高くとも1000℃以上の鉄の塊の中に隙間なく固められていればこうなるだろう。

　むしろ生きているのがさすが魔族といったところか。

「わかった、楽にしてやるよ。言い残す事とかあるか？」

「くくく‥‥‥、この国は‥‥‥面白いぞ。楽しみに‥‥‥しておけ」

　鉄の塊をギュッと縮めていく。

「そうか、忠告ありがとう。じゃあな‥‥‥」

バキバキバキバキ‥‥‥

「うあ‥‥‥」

　断末魔も呻き声程度、まぁだいぶ弱ってたんだな。

　魔族を潰した鉄塊の外にドロップ品が現れる。

　魔族の角だ。ストレージにしまっておこう。

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　みんな集まってきた。

　シルヴィアにはピアスを渡しておいた。

「いやぁ、アウルムが操られた時はどうなることかと思うたで」

「ハンジローはなんか途中で気づいたの？」

「あの魔族の首を切ったあと、アウルムを峰打ちしようとしたやん？　そしたら動かれへんくなって。そんで刀を見たら文字が浮かんできてな。『俺に合わせて演技しろ』てな。ほんまにびっくりしたわ！」

「あぁ、それでセリフが棒読みだったのね」

「やかましいわ！　ほっとけや！」

　仲間たちに笑いが起きる。

「しかし魔族の洗脳がよく解けたわね？　最初は効いてたんでしょ？」

「しっかり吹っ飛ばしてくれたもんねぇ‥‥‥」

「ホントにごめんな。ハンジローが魔族の首を切った瞬間に意識が戻ったんだ」

「あのドラゴンは変わらず操られてたようだけど‥‥‥」

「この母さんの形見のペンダントのせいかもしれない。さっき光ってたんだ」

「「ふーん」」

「ちょ、ちょう見せてみ？」

　カエデが身を乗り出してきた。

「コレは‥‥‥？　ラーニングストーンかもしれんな」

「ラーニングストーン？」

「『ラーニング』ってスキルがあるの知っとる？　敵の技や魔法を一度くらう事でその技を使えるようになったり、耐性がついたりするスキルやねんけど。それが数種類覚えられるのがラーニングストーンやね」

「へぇー、そんなのがあるんだ。じゃあ俺もあの操る術みたいのを使えるようになるのかな？」

「「なんですって！？」」

　シルヴィアとアリスに両ほっぺをつねられた。

「いふぁい、にゃにふんのふぁ」

「誰に使うつもり！？」

「許さないわよ！？」

「あはは、大丈夫や、お二人さん。そういう技を使うにも魔力が必要やから」

　パッと手を離される。お〜、痛い。

「あはは、そうなんだ。てっきり‥‥‥」

「痛かった？　ごめんね、シルヴィアが‥‥‥」

「アリス！　あんたもやってたじゃない！！」

「シルヴィアの方が先につねってたわ！」

「アリスの方が強かったからね！」

　いや、どっちでもいいよ。

「アウルムはモテはりますの〜」

　ハンジローも余計なこと言うな。