第114話 さらなるコメを求めて
「あぁ、美味い!! 白米最高!!」
「良かったわね、アウルム」
「もっと大量に買い付けたい。もっと東の国へ行ってみよう」
という訳でやってきたのが東の果ての島国だ。
一面に広がる田んぼ、これは期待できるな。
サターン号はストレージに収納し、徒歩で畦道を進む。
田んぼの土手で子供たちが遊んでる。
平和なのかな?
こちらを見つけて話しかけてくる。
「こんにちは。おにいちゃんたち、どこからきたの?」
「おねえさんきれーい!!」
「ぼうけんしゃのひとなの〜?」
「こんにちは、大人の人達はこの先にいるのかな?」
「うん、いる〜」
「あんないする〜」
村の一番大きな家に案内された。瓦屋根の大きな屋敷だ。本当に日本みたいだな。
「うん? どなたかな?」
「冒険者のアウルムと申します。お願いがあり参りました」
「お願いとは‥‥‥?」
「米を売っていただきたいのです」
「ほう、冒険者の方と。売るのは良いがこちらの願いも聞いてもらえるかな?」
「なんでしょう?」
「この先に最近モンスターが彷徨いてての。隣町との行き来がしにくくなっておるのだ。退治してもらえないだろうか?」
「わかりました、いいでしょう。モンスターの特徴を教えてください」
聞いた感じでは熊っぽい話だな。
まぁ、なんとかなるだろう。
「よし、行くぞ!! 米のために!!」
「その掛け声‥‥‥」
ーーーーーーーーーーーー
「そうだ、アリス。これを渡しておく。遅くなって済まなかった」
「えっ!? あ、コレって‥‥‥」
「コレ、欲しかったでしょ、アリス?」
「‥‥‥うん、ありがとう」
渡したのはミスリルマントだ。アリスは涙ぐんでいた。
「これで本当に仲間になれた気がする‥‥‥」
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「いた‥‥‥、アイツか」
「‥‥‥デカいわね」
獲物はダークベア、体長五メートルを超える大きさで素早く動く。爪と牙が大きく鋭い。
一般人からすれば恐ろしいモンスターだろう。
ただ俺たちからすれば魔法を使ってくるモンスターでもないので楽勝だろう。油断は禁物だが。
「二人が牽制して。私が仕留めるわ」
アリスが名乗り出た。俺たちも賛成する。接近戦で一番強いのはアリスに間違いないからな。
「わかった。動けないようにしてやるさ。トドメは頼むぞ。シルヴィア、この鉄の矢を使ってみてくれ、操作する」
「わかったわ」
シルヴィアが矢を放つ。真っ直ぐに飛んでいく矢にダークベアが気が付き、避けようとする。
が、それは想定内。矢を細かい尖った破片に分解する。
「ギャオォ!!」
かなりの数が刺さったはずだ、そうなればあとはずっと俺のターンだ。
ダークベアは動けない、やつのデカい前足では細かく刺さった破片を抜くことは出来ないからだ。
「アリス、奴の首を斬れ!!」
俺の指示とほぼ同時にアリスがジャンプ。
「やぁあああああ!!」
と、その刹那、ダークベアが 火球 を飛ばしてきた。
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