第111話 アレ探しの旅②

 竜騎士たちは城壁の門に俺たちを連れてきた。

 念のため移動中シルヴィアには深くローブを被せて変身魔法を解かせておいた。

 万が一の時に魔力切れになったら困るからな。シルヴィアも魔力アップはしているだろうけど。


「おう、コイツらの身元確認を頼む」

「はいはーい。冒険者だって? はい、じゃあギルドカード出して〜」


 三人ともギルドカードを提出すると‥‥‥

「シルヴィアさん‥‥‥Bランク‥‥‥? Bランク!? アンタBランクなのか!?」

「はい、それが何か‥‥‥?」


「いや、珍しいから。失礼したね。次がアウルムさん‥‥‥、!? Aランク!?」

「だから何だよ?」


「いやいやいや、Aランクなんて上位数パーセントの冒険者じゃないか!! なんでこんなところに!?」

「いや、通り過ぎようとしたら彼等に停められて‥‥‥」


「Aランクだと申請するだけで他国との行き来は自由なんだ。後申請って事にすれば問題なくなるよ」

「へぇ〜、そうなんだ」


「次が‥‥‥Cランクの‥‥‥名字持ち!? クリューソスってタイタン王国の公爵の‥‥‥」

「あ、ごめんなさい。結婚したから今はただのアリスよ」


 すごい勢いで土下座してる。衛兵も連れてきた竜騎士たちも‥‥‥。


「申し訳ございません。ご無礼をお許しください」

「元よ。気にしなくていいわ。それで通ってもいいかしら?」


「どうぞお通りください!!」

「ありがと。行くわよ、アウルム、シルヴィア」

 スムーズだ、やっぱり貴族って元でもすげぇな。


「どうせだから少し見ていきましょ。掘り出し物もあるかもしれないし‥‥‥」

「魔力は大丈夫なのか?」

「ローブ被ってれば一日くらいは大丈夫よ」



 市場の場所を聞いて行ってみる。


「何かあると良いわね」

「もしあるならアレが欲しいわ。認識阻害のピアス」

「よし、魔道具屋を当たってみよう」


 リクエストに応えて探してみると三軒目でようやく見つけた。


「あった‥‥‥、ゔっ、でもやっぱり高い‥‥‥」

「買おう、必要なものだからな」


「いいの?」

「無いとやっぱり困るだろ?」


「ありがと、アウルム」

「私にも何か買ってよ〜」


「兄ちゃんモテモテだな」

 いや、どっちも妻なんだけどな。

 苦笑いしながら会計を済ませた。

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