第107話 王国の接待

「びっくりしたわ‥‥‥、一国の王様が私に頭下げるなんて‥‥‥」

「なんかそういう人みたいよ」

「昔からそうだったわ。あまり身分にこだわりがないのよ」


 まぁ、それはアリスもだけどな‥‥‥。

 言わなかったけど。


「アウルムよ、急ぎの予定は無かろう? 今宵は王城に泊まっていけ」

「は‥‥‥はい。ありがとうございます」


「叔父上殿達も是非‥‥‥」

「では、そのように。お言葉に甘えようか」


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 うーん、夕飯はそりゃあもうご馳走なんてありきたりな言葉では表現出来ないものだった。

 前世でテレビで観たことあったかなぁって感じの宮廷料理(でいいのかな?)が所狭しと並んでいた。


「アウルム‥‥‥、これ食べても良いの?」

「シルヴィア、よだれが‥‥‥」

 シルヴィアが飢えた獣の様な目になってるよ。


「ハハ、シルヴィア殿は食べるのが好きそうだな、遠慮なく食べてくれ。貴女の為に用意したのだから‥‥‥」

「‥‥‥お恥ずかしいです」


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「いや、久しぶりに楽しい夕食だった。ありがとう、アウルム、シルヴィア殿」


「ご馳走様でした」

「ありがとうございました。とても美味しかったです。アウルム‥‥‥、(ごにょごにょ)」


「陛下、シルヴィアが料理を気に入ったようでして。あとでレシピを教えていただいてもよろしいでしょうか?」

「おぉ、そうか。気に入ってくれて良かった。料理長に伝えておこう」

「ありがとうございます」


「叔父上とアウルムよ、あとで余の部屋に来てくれるか? 男だけで少し飲み直そうではないか」

「陛下もお好きですなぁ、兄上とおんなじです」

「ありがとうございます。お付き合いさせていただきます」


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「ほれ、グラスが空いてるぞ、アウルム」

「ありがとうございます、陛下」


「アウルムよ、この場ではジークと呼んでやれ」

「そうだ! ジークと呼べぇ!! ワハハ!」


 二人ともかなり出来上がってるなぁ。

 俺もふわふわしてるけど‥‥‥。


 あはー、たのしー。


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 部屋に戻るとシルヴィアが誘ってきた。

 いやいや、ここ王城だよ?

 まずいって‥‥‥


 え? 仕方ないなぁ‥‥‥


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 朝ベッドで目覚める。

 隣でシルヴィアが布団を頭までかぶって寝ていた。

 そんなところも愛おしい。


 まったく‥‥‥、可愛いなぁ。


 シルヴィアの寝顔を見たくて布団をめくろうとした手が何かに引っかかる。


 ん?


 反対側を見て俺は凍りついた。


 反対側にはアリスが寝ていた。

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