第105話 船か? 家か?

「あとどのくらいで王都に着きそうか?」

「あと三時間程度でしょうか?」


「思ったより早いんだな。この家は」

「いやですわ、アナタ。船でしょう?」


「船‥‥‥なのか? 城とかではなく?」

「こんな城見た事ないでしょ?」


「「これはなんなの!?」」


 公爵夫妻、ハンニバルさん、ミランダ、そしてシルヴィアとアリスに総ツッコミを受けた。


 確かに、なんだろう? これ。


「飛行船‥‥‥飛空艇‥‥‥宇宙船‥‥‥天空城‥‥‥空飛ぶ家?」

 カー◯じいさんの空飛ぶ家、いや、アレは風船だしな。


「呼び名は、シルヴィアが決めてくれ」

「えぇ!? 私が!?」


 シルヴィアが悩み始めた。


「主殿!! 前方にまたワイバーンが!!」

「「「!!!!」」」


「あぁ、大丈夫。ほっとけ」

「「「!???」」」


「倒さなくていいの?」

「ルー、普通のワイバーンだよな?」


「通常のワイバーンです」

「じゃあ大丈夫。このまま進もう」


「襲ってくるわよ? 迎撃しなくて大丈夫なの?」

「あぁ、大丈夫。このままで迎撃出来るから」


「火球放ってきました!」


ボンッ!!


 大きめの音はしたがダメージはない。外装のミスリル・オリハルコンコーティングのおかげでワイバーン程度の火球はノーダメージだ。


「ワイバーン、衝突します!!」


ドーン!!


 少し揺れたが影響は無い。むしろ‥‥‥


「ワイバーン、消滅しました。あ、ドロップが‥‥‥」

「まぁ、いいだろ。耐久テストも出来たしな」

「「「‥‥‥‥‥‥」」」



「あぁ、気が利かなくてすみません。各自のソファにサイドテーブルを出しますね。そこにこちらを置いてお寛ぎください」


 金属で作ったコップにストレージから出した飲み物を注ぐ。金属製の皿に食べ物を乗せて運ぶ。

 俺は一歩も動いてないけどね。


「いやはや、まさに天界暮らしのようだな」

「おほほ、いやだ、貴方ったら。本当に空の上ですわよ」


ーーーーーーーーーーーー


「まもなく王都上空です」

「では、皆さん、降りる準備を‥‥‥」


「「「ZZZ‥‥‥ ZZZ‥‥‥」」」

 ダメだ、みんな寛ぎすぎて寝てるわ。

 起こさなきゃ!!

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