第103話 アウルム式家作り

「どうするの?」

「金属製の家を作るんだ」


「家? は必要だけど‥‥‥、今は戻る話をしてるのに‥‥‥」

「最後まで話を聞いてくれ。家で寛ぎながら目的地に着けば良いんだろう? なら、家で飛んで行けば良い」


「「!!」そんな事出来るの!?」

「今までは難しかったけどな‥‥‥っと、ここでやる訳にはいかないか。どこか広いところで‥‥‥」


「では、街の外の草原でやってはどうか?」

「そうですね、そうします。ブラス様とヒルダ様はどうされますか?」


「折角だ、アウルムの家づくりを見学するとしよう。なぁ、ヒルダ」

「そうですわね」


「ではこちらにお乗り下さい」

 来た時のように鉄の小舟を作り出し、そこに四人を乗せて浮かせる。


「何度か乗ったけどやはり慣れないわ」

「まぁ、ゆっくり行きますので。縁に捕まってて下さい。ハンニバルさんとミランダは走って来て下さい」

「了解だ」

「すぐそこよね。私たちなら走った方が速いわ」


「じゃあ、向かいますね」

 小舟を浮かせて速度を抑えて進んでいく。


ーーーーーーーーーーーー


 草原に到着。ほぼ同時にハンニバルさんとミランダも到着した。


「じゃあ、やってみますね」

 ストレージからありったけの鉄を取り出す。

 戦艦の分や廃坑でかき集めて来た分で凄まじい量になってるな。


 作るイメージはアレだ、天空の城。

 アニメの方でもゲームの方でも無いし、規模も小さいけどな。


「ここはこうして‥‥‥、こうやって‥‥‥」

「「「‥‥‥‥‥‥」」」


 下半分はやはり半球かなぁ? あ、でも着陸の時はどうしよう‥‥‥? 平らに変形すれば良いか。もしくは足を伸ばして‥‥‥


 衝撃耐性についてはどうしようかな?

 平らな面があるとそこは衝撃に弱くなる気がする。で、あれば‥‥‥?


ーーーーーーーーーーーー


「よし!! 完成だ!!」

「「「‥‥‥‥‥‥」」」


「ん? どうしたの、みんな?」

「‥‥‥アウルムよ、これは家なのか?」


「ん? あっ!!」


 しまった、作るのに夢中で本来作るべき家でも城でもないものを作ってしまった。


 まるでUFOか土星じゃねぇか!!!

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