第87話 タイタンの顕現(アウルム視点)

 (その日の未明)

 タイタン王国上空に到着した。何度も往復してるなぁ。三姉妹も出しておこう。今回は出番が無いかも知れないが。


「三人とも、護衛に徹してくれ。手は出すなよ。基本的には俺がやる」

「「「御意」」」



 よし、あった。

 タイタンの角だ、まずはこいつを引っこ抜く。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


 お? なかなか深いな。

 もっと激しく揺らしてやれ。


グラグラグラグラ!!!!


 おお、抜けそうだ。


ズズンッ!!!!


 抜けた、さすがに苦戦した。

 先っぽが矢の様に返しが付いてるじゃないか。

 抜けない訳だ。


 で、この鉄の塊を変形させる、そのまんま「大地の神 タイタン」を作ってやろう。見た目は公爵邸に飾られてたタイタンの石像のようにしてやるか。

 しかしアレだな、地球で言えば全日◯プロレスの「不沈艦」とか「テキサスの暴れん坊」と言われた選手そっくりだな。

 

 このデカい鉄の塊をバランス良く動かすのはなかなか難しいな。まぁ、じきに慣れるだろう。


 出来た!

 まぁ、上出来だろう。


 よし、このまま歩かせて‥‥‥目指すはユピテル教団の本教会だ。


ズシンッ!!!! ズシンッ!!!!


 一歩ずつゆっくりと歩かせる。その度に地響きがなる。まぁ、あの重さじゃ仕方ないか。


 なんか教団の方から人が出てきたがそのまま進もう。踏まれても知らないぞ、と。


ゆっくりと時間をかけて本教会に到着、とりあえずこの建物はぶっ壊そう。


 タイタンを操る、左腕を天に掲げて右手で例の黒いサポーターを直す仕草をする。サポーターは無いな、着けてやるか。

 左肘のサポーターをしてるかの様に黒くしてみた。あの選手と言えば左腕の黒サポーターがトレードマークだからな。


 前傾姿勢で進み、左腕を振りぬく!!!!

ズガガガガーーーーーーン!!!!


 大轟音と共に本教会の二階以上や尖塔などを全て吹き飛ばした。


 今度は右腕を高く天に掲げて握り拳を突き出す。その後、人差し指と小指を立てる。

 テキサスロングホーンってやつだな。


 一連の動きが止まったところで、ちょうど朝日が昇ってきた。


 ナイスサンライズ。


 うむ、完璧だ。




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