第28話 魔剣ルージュフレイン

『ルー‥‥‥か。そんな呼ばれ方は初めてじゃ‥‥‥』

「そうなの?」

「ルー、お前はどう使えばいい?」


『好きに使ってくれれば良い、本来なら我が持ち主を使うのじゃがな‥‥‥』

「じゃあ俺に任せてもらおうか! !! 早速来たぞ! ゴブリンの群れだ!」


 メタルサーチで警戒しておいて良かった。ほぼ同時に粒子を纏わせて動きを鈍らせておく。


「使ってみるか‥‥‥」

ルーを触れずに抜刀、操作してゴブリンの急所を突いていく。心臓を突いて、首を切って。



『主よ、なかなか良いぞ! もっと吸わせてたもれ』

 10匹くらいいたが一分もかからず殲滅した。

 魔石をシルヴィアが拾ってくれる。


 ルーは血と魔力を吸うらしいので血を拭き取る必要がないみたいだ。まぁ便利だな。


『もっとじゃ! もっと欲しいのじゃ! 主殿』

「主殿?」

『なかなかの剣捌きじゃ。我の主に相応しい』



「魔石もたくさん拾えたわ。アウルム、入れておいて」

「ああ、ありがとう。シルヴィア」


『二人は付き合うとるのかや?』

「いや‥‥‥」

「ま‥‥‥まだよ!!」


『なんじゃ、二人とも初心じゃの。くひひ』

「‥‥‥‥‥‥」


カシャーーン!!

ルーを鞘にしまった。


ーーーーーーーーーーーー


「だいぶ深くまで来ましたね。おそらく最深階でしょう。ダンジョンボスがいると思われます」

「よし、ゆっくり休んでから行こう」



『しかし主殿は不思議な術を使うのじゃな。我だけでなく同時にいくつもの金属を操るとは‥‥‥』

「俺も使えるようになったのは最近だ」

「規格外の強さよね」



『なんと‥‥‥! 只者ではないと感じておったが‥‥‥』

「気分次第ではお前を破壊することも出来るぞ」

と、手の周りを回していた鉄球をサイコロステーキのようにバラバラにしてみた。


カタカタカタカタ‥‥‥

ルーが震え出した。

『‥‥‥‥‥‥今までの発言、大変申し訳ございませんでした』


「ルー? どうした? 急に」

『我を破壊しないでください』


「しないよ。役に立ってくれるんだろ?」

『心より忠誠を誓いまする』

「ルーちゃん、改めてよろしくね」


『ふむ、しかし金属以外の武器とかには効かないのでありましょう?』

「その通りだ」


「もしアウルムを倒すとしたら金属以外の武器で戦わないといけないわね」

『木の棍棒や革の鞭、刃物で言えば石製やモンスターの牙製、骨製の物は有効じゃろうな』


「そうだな。部品として金属が使われていれば取り上げたり分解したりは出来るだろうけど」


「知られるとまずいのね」

「そう、だから秘密にしている部分もある」


 ダンジョンで他のパーティに遭遇する事は滅多に無いし、その時はなるべく使わないようにしてるのでバレていないと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る