第27話 魔剣
『ほう‥‥‥貴様が次の我が主かえ?』
赤いナイフから声がした、気がする。
気持ち悪っっ!!!!
思わずナイフから手を離した、が手の平について離れない!?
「うわっ! なんだ? このナイフ!?」
「アウルム? そのナイフ手にくっついてるわよ!!?」
『ほほ‥‥‥、すぐそばに生贄がおるではないか? どれ‥‥‥、さっそ‥‥‥』
バリッ!! カラーーン!!!!
ナイフを床に落とした。
スキルで引っぺがしたからだ。
『はっ? な、何故じゃ? 我を手にした人間は死ぬまでその手から離れぬはずじゃ!! 貴様何をしたのじゃ!?』
「‥‥‥ナイフが喋ってる?」
「‥‥‥みたいだ。魔剣の類いかな?」
『フハハハ、いかにも!! 我が名は魔剣ルージュフレイン!! 太古の昔、世界を焼き尽くした炎の‥‥‥って、おい!! 待て! 置いていくな!!』
「いや、だって気持ち悪いし‥‥‥」
『だからって置いていくな!! 数百年ぶりに人間に手にされたのじゃ!! そんな邪険にする事なかろうが!』
「邪剣じゃなくて魔剣だろ?」
『そんな話をしているのではない!! 役に立つぞ! 連れていけ!』
「えぇ? やだよ、さっきもいきなりシルヴィアを刺そうとしたろ?」
『我は生き血を吸う事で成長出来るのじゃ! 今はこのようなサイズじゃが、その鞘にピッタリのサイズまで戻れば驚く程‥‥‥って、だから置いて行くなー!!』
「‥‥‥うるさいな、どうする?」
「見せ物としても高く売れそうだし、持っていこうか?」
『売るな!! 頼む! 連れていってくれ!』
「えっと、鞘は触っても大丈夫だな」
鞘を持ってみたら平気だった。柄に触れると離れなくなるみたいだ。
『うわっ! 何をする!!』
「しょうがないから連れてってやるよ」
スキルを使ってナイフの刀身と鞘を宙に浮かせ、そのまま納刀する。
『‥‥‥お主は何者じゃ?』
「俺は冒険者のアウルムだ。ちょっと特殊なスキルを使える」
「私はシルヴィアよ。よろしく、ルーちゃん!」
「『ルーちゃん?』」
「ルージュなんとかは長いからルーちゃん!」
『‥‥‥‥‥‥』
「だとさ。ルー」
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