第26話 初ダンジョン②

「スライムゼリーは貴重なので、買取額も期待出来るわ」

「そうか、ならよかった」


 メタルサーチによると、この階はもう魔物が居なそうなので、散布した金属粒子を回収して階下へ。


 階下に降りて、また散布。いちいち面倒だけど、今は他に方法がないからなぁ。


 この階はリザードマンの巣窟だった。見たまんまトカゲ人間みたいだ。特徴として、必ず何か武器を持っている、金属製の物が多い。

 つまり、同士討ちが出来る。数は五匹、先頭の奴の槍を後ろの奴に突き刺す。ぎゃわぎゃわ言いながら仲間割れし始めた。


 せっかく同士討ちしたんだ、しっかり当ててやるよ。

 持ってる剣の軌道を変えてしっかり当てる、皮膚が丈夫なのか、剣が傷んでいるのか。あまり傷が付かない。刺す方が有効だな。槍と剣と交差して刺し合うように操作する。


 五分もしないうちに全滅だ。先に進もう。

「私の出番が無かったわね」

「いざと言うときに頼むよ、シルヴィア」


ーーーーーーーーーーーー


「この扉、鍵が掛かってるわ」

「そうか、でも問題ない」


ガチャッ!!


「鍵も開けられるの?」

「金属製ならな、というか俺ん家も開けて入っただろ?」

「そうだったわね、あの時は本当にビックリしたんだから」


 開けた扉の先に宝箱があった、不用意に開けようとするシルヴィアに警告する。

「いきなり開けると罠があるかもしれないぞ」

「宝箱よ、開けないの?」

「いや、離れて開けよう」


ギィ‥‥‥


 罠は無かった、中身は赤い鞘の剣のようだ。素材はよくわからない。


「良さそうな剣ね。アウルムが持ってて」

「いいのか?」


「アウルムは基本的に武器が無いじゃない」

「そうだな、わかった。ありがとう」


 赤い剣を手に取り鞘から抜くと‥‥‥刀身が短い!!!!? なんだこれ!?

 そして赤く輝き出し、声がした!!

 


『ほう‥‥‥貴様が次の我が主かえ?』

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