第25話 初ダンジョン

「ところで防具はどうするんだ? 俺に少し考えがあるんだが」

「防具も必要ね。考えって?」

「ごにょごにょごにょ」

 周りにバレるとマズイので内緒話だ。


「それは面白いわね。やってみる価値はあると思うわ」

「となると材料だが、どうしようかな」

「それはダンジョンで手に入るんじゃない?」

「ダンジョンに行くために作りたいんだけどな? 浅い層なら大丈夫か‥‥‥。行ってみるか」


 ダンジョンの入り口に近づいてみる、幸い今は並ばずに入れそうだ。

「試しに入ってみるか。おっ、思ったより明るいんだな」

「ヒカリゴケが生えていて明るいのよ」


 そうだ、警戒はしなきゃな。イノシシの時と同じように金属片をばら撒く。あれ?これって更にばら撒けばマッピングにも使えるな。やってみよっと。もっと撒いてやれ。メタルサーチと名付けよう。便利だ。


 うん、わかる。どこがどこに繋がってるかわかる。どこに魔物がいて、どこに冒険者がいて。わかってしまった。


「シルヴィア、そっちは行き止まりで何もないぞ」

「なんでわかるの? って愚問ね」



 右側の通路から何かくる。この形状からすると、不定形‥‥‥、スライムか?


 スライムと物理攻撃は基本的に相性が悪い。核を攻撃出来れば問題無いが、他の部分ではダメージはほとんど無い。しかも外からでは核が分かりにくい。


 ならば、スライムの核ごと潰すか。二つの鉄の球を板状にして、挟み込む。更に温度を上げて熱する。これなら倒せるはず。


 結果は倒せたが、なんか良い匂いがする、鉄板の間から。スライムが溶けたやつ、なんだコレ?

「スライムゼリーね。高値がつくわ。是非持ち帰りましょう」


 鉄板が冷めると固まって取りにくくなってしまうので、温度はそのまま、瓶に取るそうなので形状を変えて注ぎやすくしてやった。ストレージに入れれば劣化しないしな。

「便利ね‥‥‥」

「ストレージ、便利だよな?」

「いえ、もう一つの能力よ、やはり規格外ね‥‥‥」


? そうかな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る