第24話 カルコスの街②

「で、買い取りは出来ないのか?」

「買い取るよ、コレくらいでどうだ?」


 おいおい、マジか? すげぇ。

 しばらく働かなくても平気じゃん!


「よし、それでたの‥‥‥」

 ここでシルヴィアが出てきた。

「待って、アウルム。私が交渉するわ。随分と控えめな金額じゃない?」


「ゔっ‥‥‥、それはその‥‥‥」

「この大きさなら‥‥‥」


「いや、こちらも立場が‥‥‥」

「今度からは他に‥‥‥」


「定期的に持ってくるなら‥‥‥」

 


「アウルム、1.5倍になったわ」

「!! すげぇな。さっきの金額でも凄かったのに‥‥‥」

「足元見られてるわよ、アウルム。あと遊ぶ余裕は無いわ」

「ア、ハイ。ソウデスネ」

 ‥‥‥今後交渉事は出来るだけシルヴィアに任せよう。



「次は装備を見に行こうか?」

「あ、うん。わかった。ギルドにお勧めの店を聞いてくる」

という訳で来たのが、ドワーフの鍛冶店「オレの鍛冶場」だ。俺の〇〇シリーズみたいだが、鍛冶場って‥‥‥。


「ドワーフとエルフって仲悪いんじゃないの?」

「そんな昔話、どこで聞いたの?」

 えっ、そうなんだ。この世界では仲悪くないんだ。


 そんな話をしながら着いた。

 入ってみると奥から音はするが姿は見えない。


「すみませーん!」

「おう、どうした? 何か用か?」


「剣を作ってもらえるかしら?」

「嬢ちゃんの剣か? どれ、手を見せてみろ」


 と、言ってじっくりと手を触って見ている。

 かれこれ20分は見てるんじゃないか?

「ちょっと見過ぎじゃないのか?」

「小僧は黙っとれ!」

「アウルム、良い剣を作ってもらうためよ」

  

ーーーーーーーーーーーーー

「嬢ちゃんの腕力だと細剣が良いじゃろな」

「一撃より手数で仕留める方が向いていると思うわ。出来るだけ軽い素材で作ってもらいたいわね」

「じゃあミスリルじゃな。一振り作れるくらいはあるが、値は張るぞ?」

「コレくらいでどう?」

「うむ、良かろう。三日待って貰えるか?」

「もちろん。私はシルヴィアよ」

「儂はガンドルフじゃ。よろしくの」


 完全に爪弾きにされた俺は店の隅で泣いた。

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