第19話 戦闘後
死体から金属製の装備や金を奪い取り、全てストレージに収納した。
やってる事は死体からの剥ぎ取りだがこちらの世界では常識だ。むしろ資源のリユーズ的な意味で推奨されている部分もある。
「アウルム‥‥‥、ごめんなさい。私のせいで巻き込んでしまって‥‥‥」
「いや、このスキルは人間にとってはあまりに異質らしい。あまり一ヶ所に留まらない方がいいみたいだから、ちょうどいい機会だったのかもしれないよ」
「そう‥‥‥なの? こんなすごいスキルなのに‥‥‥。エルフが人間社会に溶け込めないのと似てるかも‥‥‥」
「そうだな。シルヴィア、俺も一緒に行ってもいいかな?」
「もちろん! 一緒に来てくれるなら心強いわ!」
「よし、決まりだ。じゃあこの死体をなんとかしようか」
死体を森にでも投げておけばモンスターが食べるだろう。死体が無ければ足もつかないだろうし。
スキルを使って取り出した鉄球を薄い鉄板に変えて死体の下に滑り込ませる。そのまま持ち上げれば楽々だ。シルヴィアに死体を転がしてもらうと更に楽だ。まとめて森にポイっと。
俺だけ一旦街に戻る。シルヴィアには元我が家で待っていてもらう事に。
ーーーーーーーーーーーー
アドベントの街に着いた。
一応イーリエさんには話しておこう。シルヴィアの事は伏せつつ。
「‥‥‥そうか。わかった。冒険者にはよくある話だ。元気でやれ」
「イーリエさん、お世話になりました‥‥‥」
「(グスッ)‥‥‥おう」
イーリエさんは壁の方を向いたままこっちを向かなかった。
肩を震わせていたからおそらくは‥‥‥。
「アウルム、元気でね!」
「いつかパーティー組むんだからな? 忘れるなよ!?」
スズとディーンにも別れを告げた。
世話になった孤児院にも挨拶をしてきた。傭兵団の持ってた金を全部またこっそりと置いてきた。
シルヴィアの手紙は魔道具屋の主人宛だった。主人は手紙を受け取るとすぐに開けて読んだ。
深くため息を吐いてから、奥に行って何か持ってきた。シルヴィアの荷物かな?
「‥‥‥事情は分かった。これが荷物でコレは餞別だ、渡してくれないか?」
「わかりました」
これで一通り済んだかな。
よし、シルヴィアの所に戻ろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます