第102話 無人島1日目 バーベキューをしました

「あ、おかえりー・・・?うん?」

「・・・って、わたし?いや・・・ママ?なんで若く・・・それに瞬と手を繋いで・・・」


 僕と翠叔母さんが戻ると、みんなは既に集まっていた。

 そして、若くなっている翠叔母さんをしげしげと見た後、訝しげに僕と叔母さんを見ている。

 正確には、僕が叔母さんと繋ぐ手を、だ。


 離そうと思ったんだけど、叔母さん、手を離してくれないんだよね。


「あらミドリ?上手く行った?」

「もうバッチリ♡」

「良かったわね?」

「ええ!」

「「「「「「「ああ〜・・・」」」」」」」


 翠叔母さんとジェミニが嬉しそうにきゃっきゃっとぴょんぴょんしてる。

 そして、それを見てみんなは何かを察した。

 そしてその結果・・・


「・・・ママ?ねぇママ?まさかとは、まさかとは思、おも、おももももも・・・」

 

 あ、美玖ちゃんが壊れた。

 

 翠叔母さんはそんな美玖ちゃんを見て・・・


「てへ☆」

「・・・てへ☆じゃないでしょーが!!何考えてんの!!」

「だってぇ・・・」

「その顔で拗ねるなぁ!!」


 ・・・確かに美玖ちゃんと似てるもんね。

 こうやって並ぶとよく分かるなぁ。

 若干、美玖ちゃんよりも柔らかい目をしてるくらいで・・・


「それにその大きなおっぱい!何それずるい!」


 ・・・うん、まぁ、うん。


 ぎゃーぎゃー言ってる美玖ちゃん達から視線を外し、美嘉達を見る。


「・・・あの、その・・・ごめん。」

 

 取り敢えず、みんなに謝らないと。


「・・・まぁ、ね。翠さんは仕方がないって思ってたから。しかし、ジェミニの策でしょあれ?ズバリはまったみたいね。」

「・・・最初誰かわからなかったんだよね・・・で、隙を見せたら・・・」

「パクリ・・・ですか?」

「・・・うん。」


 美咲の言葉に同意すると、はぁっとため息をつかれる。

 

「・・・私は、」


 美玲がぽつりと言葉を発した。

 みんなが美玲を見る。


「私は、良いかと思います。その・・・上手く言語化出来ませんが・・・翠さんであれば。」


 じっとみんなは美玲を見ている。

 そして、すっと美咲が前に出た。


「・・・そうね。美玲の言う通りだわ。それに・・・あなたが自分からそういう意見を言ってくれたのはとても嬉しい。」

「お嬢様・・・」


 そう言って美玲の両手を繋いで嬉しそうに微笑む美咲。

 確かにね。

 美玲は普段から自己主張は少ないからね。

 

「わたくしは良いですよ。ミドリさんはとても良い方だし、シュン様を好きな気持ちが溢れていますから。」

「ボクもだ。特に反対は無い。」

「うんうん。どうせ遅かれ早かれだっただろーしねー?」


 リリィとラピス、クォンもそんな風に言った。


「私もだ。私は、瞬が幸せであればそれで良い。それに、翠もまた綺麗な魂をしているからな。」


 フォーティもそう言って頷く。


「私は勿論!一緒にシュンくんあそ・・・シュンくんと遊べるのは楽しいから!」


 今ジェミニ、瞬くん、って言った?

 って!?


「はいはい。美玖〜?そろそろ許してあげなさい?」

「美嘉〜でも〜・・・」

「良いじゃないの。翠さん?よろしくね?」

「っ!ええ!よろしく!!」


 ・・・あれぇ?

 僕には誰も聞いてくれなかったんだけど?

 そりゃ、関係を持った以上、責任は取るつもりだったけど・・・あれぇ?


 僕は小首を傾げるのだった。






 そして、お昼のバーベキュー。


 準備は簡単。

 僕達が旅で使っていた鉄板をアイテムボックスから取り出す。

 そして、簡単に石を組んでその上に乗せる。


 火は魔法でつける。

 燃やすものは、以前旅で作った薪。


 食材はジェミニ達のアイテムボックスから。

 なんというか・・・久しぶりに異世界食材を見たなぁ。


「こ、この肉・・・なんの肉?」

「色が・・・オレンジ?輝いているけど・・・」


 美玖ちゃんと美咲がごくりと驚愕の表情を見せる。

 うん、確かに、インパクトあるからね、この肉。

 

「ああ、これ!久しぶりだなぁ!美味しいんだよねぇ!ドラゴンの肉!」

「「「「ドラゴン!?」」」」


 クォンの言葉に美咲、美玖ちゃん、美玲、翠叔母さんが叫ぶ。

 そりゃそうなるよね。


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