第47話 いよいよ旅行となりました

「さぁ!準備はできてる!?」

「「「「「お〜!!!!」」」」」


 今日はいよいよ旅行当日です。

 僕達は、みんな荷物を持って、電車で出かけることになった。

 電車に揺られること、乗り換えを含めても2時間。

 結構長いね。


 宿泊日程は1日だよ。

 だから、今日は凄く早起きしたんだ。

 楽しみだね!


「うふふ。シュンくん、すっごく嬉しそうね?」

「うん!僕、こうやって友達・・・まぁ、みんなは彼女だけど、みんなで泊りがけで出かけるのって初めてなんだ!」

「そうなんだ!じゃあ、シューくんいっぱい楽しもうね!」

「うん!」


 うきうきしちゃうな。

 そんな僕を、リリィとラピス、美嘉は微笑ましい感じに見ている。


 でも、気にしない!

 だって、本当に嬉しいんだからさ!


 道中、みんなでワイワイとやって、現地に到着。

 乗り換えの時に、一度下車して、お店に入り朝食を済ませる。

 とても美味しかった。

 その後、また電車で移動し、ホテルの最寄り駅に着くと、そのままホテルまでのシャトルバスを利用して、ホテルに到着。


「うわぁ!おっきいホテルだね!!」

「本当ですね。とても良さそうな宿泊施設です。これなら、下賤な輩は宿泊出来ないでしょう。」

「そうだな。余分な事に気を回す必要がなさそうで良かったよ。」


 クォンとリリィとラピスの会話に頷く。

 まったくその通りだね。


「さぁ、チェックインをしちゃいましょう?その後は、海よ!」


 美嘉の言葉に、みんなも笑顔でついて行く。


 ホテルでの宿泊は一部屋だ。

 今更、部屋を分ける必要は無いとの判断。

 高いだけあって、とても綺麗だし、オーシャンビューがすごかった。

  

 ひとしきり景色を楽しんだ後、みんなで水着に着替える。

 美嘉の言葉で、僕は先に着替えてプライベートビーチに行くことに。

 なんで僕だけ先に?って思ったけど、


「初めて水着を見せるんだし、最高のシュチュエーションでお披露目したいじゃない?」


 って言葉に納得したんだ。


 人はプライベートビーチだけあって、まばらだね。

 何組かのカップルと、明らかに大人でのんびりしたい人がいる位みたいだ。

 そして、待つこと15分位。


「シュン。」


 僕を呼ぶ声に、振り向く。

 そこには・・・色とりどりの水着に身を包んでいるみんなが居た。


 ・・・うわぁ・・・みんな綺麗だ・・・


「・・・ちょっと、言うことがあるでしょ?」


 はっ!?

 僕は、不満そうにしている美嘉の言葉に、自分が固まっている事に気がついた。


「ご、ごめん!みんながあんまりにも綺麗で固まっちゃたんだ!みんな、似合ってるよ?」

「・・・そう、なら仕方が無いわね。」


 美嘉は、黒いビキニで、その布地部分は少なく、下の方も、サイドが数本の紐?みたいな感じになってるセクシーな感じのだ。

 その、大きな胸に引き締まった腰、綺麗なお尻といった完璧なスタイルを惜しげもなくさらしている。

 長い黒髪が潮風に靡いて、思わず見惚れちゃう。


「うふふ♡シュンくんがそう言ってくれてうれしいわ♡」


 ジェミニは、白いV字状の水着で、その規格外な胸が上を大きくおしあげていて、逆に下の方は大きめのお尻がはみ出している。

 すっごくセクシーだし、褐色の肌が白い水着に映えていて、目のやりどころに困る。

 ぱっと見、とても高校生には見えない。

 ・・・僕には刺激が強すぎるよぉ。


「人前でこのような薄着になるのは恥ずかしいですが、シュン様の為に頑張りました!」


 リリィは、水玉模様の上下にフリルがついたビキニだ。

 金色の髪を靡かせている。

 美嘉やジェミニほどの胸は無くても、スタイルが悪いわけじゃない。

 っていうか可愛らしくて、よく似合っている。

 恥ずかしそうに頬を染めて、モジモジしているリリィを見ると、ドキドキしちゃう。


「ああ、ボクもだ。とても恥ずかしいが・・・うん、嬉しいものだな・・・想い人の称賛は。」


 ラピスは、エルフらしい緑色ベースのビキニで、下には長い花柄のパレオを巻いている。

 ラピスはこの中では一番胸が小さいかもしれないけど、色々な事情により僕はラピスの胸が同年代の女の子よりも大きい事を知っている。

 ああ、同年代の女の子の大きさを知っているのは、従姉妹の女の子によくヘッドロックをかけられていたからだよ?

 まぁ、それは良いか。

 長いパレオから見えるすらりとした足と、引き締まった腰。

 金髪のショートカットと整った顔立ち。

 スーパーモデルみたいだね。

 綺麗だ・・・ 


「えへへ♡シューくんが喜んでくれて嬉しいな!」


 クォンは、一番スポーティな水着を選んだようだね。

 上は黄色のビキニで、下は水色のジーンズみたいな感じのショートパンツタイプだ。

 いつも元気なクォンによく似合っている。

 クォンも、武道家としての引き締まった身体をしていて、健康美が凄い。

 胸は、この中だとちょうど真ん中・・・同年代なら、十分大きい方だね。

 笑顔も弾けるようで、可愛いと思う。


「み、みんな本当に綺麗だし、可愛いよ・・・照れちゃうなぁ・・・」


 僕の方が、そんなみんなの魅力にやられて赤面しちゃった。

 そして、それを見て、みんなはとても満足したようで、嬉しそうにしていたんだ。

 

 その後、割り振られた屋根とビーチチェア付きのスペースに簡単な荷物を置く。


「さて、シュン?まずはオイルを塗って貰おうかな〜?」

「へ?」


 ニヤニヤとした美嘉と・・・みんな。

 

「部屋で塗って来なかったの!?」

「定番でしょ?さ、順番は決めてあるよ。まずは、クォンからね?」

「は〜い!シューくんよろしく〜!!」

「・・・わ、わかったよ・・・」


 僕は、ドキドキしながら、みんなの背中や足に、オイルを塗って行く。


「・・・ん・・・シューくん上手ぅ・・・あ・・・」

「シュン様・・・ああん・・・はうっ・・・」

「あん!・・・シュン・・・エッチ・・・わざとボクを焦らすなんって・・・ふぅっ!」

「はぅっ・・・シュン・・・良いわ・・・そのままお尻まで塗って?・・・早くぅ・・・」

「・・・ふっ・・・はぁ・・・良いわぁ・・・シュンくん・・・そのまま前もお願い・・・」

「ジェミニ!?しません!」


 ・・・不味い。

 不味いよ・・・僕・・・動けなくなっちゃった・・・

 だって、みんな変な声出すんだもん・・・

 どうしよう・・・はっ!?しま・・・


 僕は恐る恐る美嘉を見る。

 ・・・うわぁ・・・魔王だぁ・・・


「シュ〜ン〜?さぁ、海に行きましょう?早く立って?ね?そ〜れ〜と〜も〜・・・手を、貸しましょうか〜?」

「ひっ!?」


 ・・・絶対、バレてる・・・


「みんな〜?シュンに手を貸してあげて?・・・どうやら、シュンは起き上がれないんですって〜?・・・なんででしょうね?熱中症かな?」


 ウソつき!

 気づいている癖に!!


「あら〜?シュンくん?それはまずいわ?早く横にならないと〜(にやにや)」

「シュン様・・・早くお手を取って下さい。そこに横になりましょう?(わくわく)」

「シュン、どれ、立てないのであれば、手を貸そう。任せろ。ボクは騎士だからな。力には自信がある。(にっこり)」

「み、みんな・・・ちょっと待って・・・ね?」


 なんとか・・・なんとかしないと!

 しかし、 


「にひ♡ほらラピ!一緒にシューくんを助けよう(にや〜)せーの!」

「待っ・・・!!」


 僕は両脇に手を入れられて持ち上げられて、


「・・・おお・・・流石は勇者よ。この、魔王を屠っただけはある・・・こちらも、勇者だったか・・・恐るべき聖剣を持っておったわ・・・」

「・・・ごくりっ。シュンくん・・・身体は小柄だけど・・・こっちは凄いのねぇ・・・流石は性の勇者ね・・・恐れ入ったわ。」

「・・・ねぇ、ラピス。殿方って、皆様こんなに大きいのかしら?それとも、シュン様のシュン様が特別なのかしら?」

「・・・姫様、ボクに聞かないでよ。ボクだって、臨戦態勢なのを見るのは初めてなんだ・・・しかし、どうしても騎士団で耳にした事はあったけど・・・これは規格外なんじゃないかな?」

「シューくん♡・・・あ、発情期きちゃたかも・・・♡はぁはぁ・・・」

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」


 僕は必死に手で隠すけれど・・・全然隠れなかった。

 僕がジタバタする度に、凄く自己主張したそれが震える。

 結局、強調しただけになり、僕は手が外れた瞬間、体育ずわりで石になりました。

 

 

 その後、ふてくされていた僕は、みんなに謝られながら頭を撫でられる。

 

「・・・もう、しないでね?」

「はいはい。分かったわよ。ごめんごめん。」


 ・・・それで許しちゃう僕は、甘いのか・・・惚れた弱みなのか・・・まぁ、いっか。

 気を取り直して、海を楽しもう。

 僕はそう苦笑するのだった。

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