第26話 みんなで出かけて・・・絡まれました(1)
ジェミニがこちらに来てから、2週間が経過した。
ドタバタしたけど、大きな問題は無い・・・僕の睡眠くらいだね。
あれから何度かアルバイトをしたけれど、前日はいつも魔法で眠らせてもらってる。
もらってるんだけど・・・翌日、大体三人の様子がおかしい気がする。
一体なんだろう?
一度聞いてみたんだけど・・・
「え!?な、何も無いよ!?」
「そうだよシューくん!そんな触ったりしてるなんて・・・モゴっ!?」
「・・・別に何も無いわよシュンくん?それとも、気になるなら魔法無しにする?」
・・・何か隠してる気もするけれど、でも魔法無しはきついんだよね・・・
僕は、何も気がつかなかった事にした。
・・・凄く気になるけど。
まぁ、そんなこんなで、来週からいよいよジェミニが学校に通学する事になる。
ジェミニは、すぐに言語を完全に理解し、複雑な計算式なんかもできるようになっていた。
「高位の魔法に比べれば、どうってことは無いわよ。」
とは、ジェミニの言。
なるほど、と思った。
僕は、魔法の出力には自信があるけれど、ジェミニほど上手く扱えないからね。
スキル頼みの所もあるし。
だから、高位魔法を自由に扱うジェミニや美嘉が頭の良いのは当たり前なんだ。
・・・負け惜しみじゃ無いよ?
本当だよ?
「良い天気になって良かったね!」
「うん!シューくん!早く行こうよ!」
「うふふ。ミカもクォンも張り切ってるわね。シュンくん?行きましょう?」
今日はみんなで初めて遊びに出かけるんだ。
買い出しや手続き、僕もアルバイトを始めたから、ちょっとバタバタしてて、中々遊びに行く時間が取れなかったんだよね。
それにしても・・・
僕は、改めてみんなを見る。
美嘉は、オレンジっぽい色の薄手の七分丈のシャツに、ベージュ色のミニスカート・・・プリーツスカートっていうの?それに黒のロングブーツを合わせている。
襟元の黒いリボンが似合ってる。
すごく可愛いし、綺麗だ・・・
クォンは、デニムの紺色ショートパンツに、白色のノースリーブ、オリーブ色のミリタリーシャツに黒色の帽子姿。
足元は、スニーカーだ。
ボーイッシュで可愛いと思う。
ジェミニは、白色のニットのロングワンピースに、薄いベージュのロングカーディガンにサンダル。
ジェミニは、すでに例の年齢詐称の為の
・・・これでも、小さくなったみたい。
綺麗である事は間違いないんだけど・・・
ちなみにこの
結構苦労したらしい。
オン・オフ出来ない方が楽だったらしい。
なんでそうしたのか聞いたんだけど・・・
「その方が、シュンくんも嬉しいんじゃないかしら?」
という謎の答えが帰って来たんだ。
僕には、意味がよく分からなかったんだけど、美嘉とクォンはわかったみたいで、またう〜う〜唸ってた。
なんだろう?
それにしても・・・みんな綺麗だし可愛いし、僕とは釣り合わないよね・・・
ため息が出ちゃうよ。
さて、気を取り直して、今日はみんなで水族館に来たんだ。
クォンもジェミニも驚いてるね。
「・・・凄いねぇ。知識では知ってたけど、実際見てみると圧倒されちゃうなぁ・・・」
「本当ね・・・平和な世界の人間の娯楽への追求は凄いものね。」
呟く言葉に思わずうなずく。
グランファミリアでは、とてもそんな余裕も技術も無いもんね。
館内で食事も済ませ、帰路に着く。
みんな満足したみたいだ。
でも・・・道中みんなで、腕組んだり、抱きついたりはちょっと遠慮して欲しい。
こんな風にされたら、照れちゃうよ・・・
みんなからは、気持ちを伝えられてるから、わからないでもないけれど、それでも僕は出来れば、ちゃんと順序を大切にしたい。
みんなの事は好きだけど・・・まだ戸惑っている部分が大きいんだ。
そう説明したんだけれど・・・
「ん?そんなの分かってるよ?でも、良いじゃない。減るもんじゃないし。」
「そうだよシューくん。アタシ達はシューくんに触れられて嬉しい、シューくんは男の子として幸せ、これってWinWinって奴なんでしょ?」
「クォンの言う通りね。それとも・・・我慢できなくなっちゃったのかしら?もう・・・男の子なんだから♡」
・・・全然聞く耳を持ってくれないんだよ・・・
・・・実際、嬉しいだけど、さ。
そんな時だった。
「おー!?すげーのがいるじゃん!」
「あ?でも、なんか男もいるぞ?」
「ガキじゃねーか!もったいねー!ねぇねぇ?そんなガキ放っておいて、俺たちと一緒に遊ばない?もっと大人っぽい所に連れてってあげるよ?ね?」
前から、大学生位のちょっと不良っぽい人たち5人組が近づいて来た。
美嘉とジェミニは無視、クォンはちょっと殺気立ってる。
「行こ?シュン。」
「おっと!無視すんなよ?」
脇をすり抜けようとしたら、前に立ちはだかった。
周りの人たちは、みんな見てみぬふりをしている。
「どきなさい。」
「ん?どかねーよ?それよりも、俺たちと一緒の方が楽しいって!な?」
「そうそう!もっと楽しませてやっからさぁ!」
「気持ちい〜思いもさせてやるって!」
・・・ちょっと腹が立って来た。
この人達のみんなを見る目が・・・ね。
「すみません。僕達は・・・」
「お前には聞いてねぇんだよガキ!!さっさとどっか行け!!痛い目みて〜のか!?あ”!?」
「「「・・・」」」
僕の言葉に被せるように叫ぶ男。
あ、ヤバい・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます