第27話 みんなで出かけて・・・絡まれました(2)
僕を害すると言った男達に美嘉達がキレちゃった。
「・・・今、なんと言った?」
美嘉が殺気まじりにそう呟く。
でも、男たちは気がついて無い。
「だから〜君たちが来なかったら、このガキが痛い目見ちゃうよって教えてあげたんだよ?ね?こっちに・・・」
美嘉に手を伸ばした瞬間だった。
「・・・こっちでも、こういうバカ、居るんだね。」
「ん?なに?この手は何(ゴキッ)ぎゃああああああああ!?」
クォンがその手を掴み、骨を砕く。
「な!?てめぇ!何しやが・・・があああああああ!?」
「あらあら?かる〜く掴んだだけでしょ?何をそんなに叫んでいるのかしら?」
クォンに殴りかかろうとした男の顔面を、片手で鷲掴みにして持ち上げるジェミニ。
・・・身体強化の魔法をバリバリに使ってる・・・
「な、なんだこいつら!?おい!そいつから手をはな・・・ぎゃ!?」
「・・・クズ共が。言うに事かいて、シュンを痛めつけるだと?身の程を弁えよ。」
美嘉が男の顔面に蹴りを当て昏倒させる。
「や、ヤバいこいつら!くっ!?おい!こいつがどうなっても・・・」
焦った男の一人がナイフを取り出し、僕に向けた。
・・・はぁ。
穏便に済ませようと思ったんだけどなぁ・・・
「・・・ナイフはいけませんよ?」
「・・・へ?」
僕は、ナイフの刀身をつまみ、そのまま折る。
男は、柄だけになったナイフと僕を何度も交互に見ている。
「返しますね。」
僕はそのまま折ったナイフの刀身を、男の足元に投擲する。
刃体がコンクリートに突き刺さる。
質の悪いナイフの刀身だけど、魔力を通せばこれくらいは余裕なんだ。
「ひぃ!?こいつもやべぇ!?」
尻もちをついて後ずさっている。
もう一人も呆然としている。
「よもや、無事に逃げられると思っておらぬだろうな?」
しかし、そんな男も美嘉が一歩一歩近づくと、顔色を変え後退り・・・
「どこいくの?」
「ひぃ!?」
真後ろを向いた瞬間、そこに先回りしていたクォンを見て腰を抜かした。
「さて・・・相応の目に遭ってもらおうかの。」
「そうだね。シューくんを傷つける?ちょっと許せないや。」
「まったくよ。骨何本くらい折りましょうかね。」
美嘉達がだんだんと近づいて行くと、男は恐怖のあまり失禁しちゃった。
あ〜・・・やりすぎかなぁ・・・
「みんな、ちょっと待って。」
僕が止めると、美嘉達は僕を見た。
「あの・・・こんな事してちゃ駄目ですよ?分かりましたか?」
「はいぃ!もうしません!!許して下さい!!」
「なら、次同じことをしているのを見たら・・・」
僕は、尻もちをついている男からナイフの柄をひったくり、それを力任せに折る。
「こうです。」
「ひぃぃぃぃぃ!?」
昏倒している一人を除き、四人が顔面蒼白で叫んだ。
「良いですね?」
「はいっ!!もう二度としません!そいつにもさせません!!」
「じゃあ、その人を連れて、どこかへ行って下さい。」
「わ、わかりましたぁ!!」
生まれたての子鹿のように足をガクガクさせ、何度も転びながら走り去る男達。
一人は気絶してるから、おんぶされてたけど。
「・・・みんな、ごめん。嫌な目に遭わせちゃったね。これも、僕がこんな見た目だから・・・」
僕が、もうちょっとみんなに釣り合う見た目なら・・・
「・・・こらっ!」
「ふぇ!?
美嘉に両頬をつままれる。
「あたしも・・・クォンやジェミニだって、シュンの見た目も心も好きなのよ?そんなこと言わないの!」
「そうだよ!アタシ、シューくんの可愛らしい見た目好きだよ?」
「そうね。ずっとそのままでもいいくらいよ?だから、そんなに卑下しないの。良いわね?」
最初こそ、怒ってる風の表情だったけど、すぐに笑顔になってそう言ってくれた。
・・・ありがとう、みんな・・・
「・・・にしても、シュンは相変わらず甘いねぇ。ま、それもシュンの良いところかな?」
「うんうん!」
「それもそうね。でも・・・」
「ええ、でも・・・」
ん?
しきりに美嘉とジェミニが目配せをしている。
なんだろう?
「シュンには、自分を卑下した責任を取って貰います。」
「へっ?」
「そうね。私達が大好きなシュンくんを貶すのは、シュンくんにも許さないわ。」
「・・・」
・・・そうか。
そうだよね・・・こんな僕でも、好きでいてくれるみたいだから。
「・・・何をすれば、許してくれる?」
僕は、そんな3人を見る。
「・・・可愛い・・・はっ!?じゃ、なくて、そうね・・・あ!?そうだ!シュン!今日夕ご飯の時、シュンは箸を持っちゃ駄目だよ?あたし達が食べさせるから!」
「え”!?」
「あ、それ良い!うんうん!そうしよう!」
「クォンまで!?ジェミニは流石に・・・」
「・・・シュンくん?口移しの方が良いかしら?」
「・・・箸で、お願いします。」
こうして、僕は思い切り甘やかされながら、夕飯を食べました。
・・・恥ずかしかった・・・
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