第5話 襲われ・・・撃退しました。
目の前に3人が立ちはだかる。
「・・・何か用?今、シュンに案内をして貰っているのだけど。」
「・・・桜咲さん、そいつから離れた方が良い。そいつはな?何も出来ないクズなんだ。それに、クラスカーストどころかスクールカーストの底辺なんだよ。君の格が下がるよ?」
ニヤニヤしながらそんな風に言う城島。
そんな城島をつまらないモノを見るようにしていた美嘉さん。
おもむろに口を開いた。
「あ、そう。あたしには関係無いわね。用件はそれだけ?じゃあもう行くわ。シュン、行きましょう?」
そう言って、通り過ぎようとした時だった。
「おい!待てよ!!お前もイジメの対象にするぞ!?」
そう言って手を広げて行く手を遮った。
「・・・イジメ?」
美嘉さんが眉をぴくりと動かす。
「そうだ!俺がそいつをイジメてるんだよ。クラスからも、学校からも相手にさせないようにしてるんだ!お前もそうなりたくないだろ?だから・・・」
「死ね。クズ。」
「なっ・・・!?」
美嘉はそのまま僕の手を掴んだまま、城島の横を通り抜けた。
「・・・大人しくしていたら調子に乗りやがって・・・!!てめぇがそんな態度ならこっちにも考えがあるぜ?おい!こいつ、連れ込んでヤッちまおうぜ?」
「・・・へへへ!良いなぁ!!」
「・・・マジで?やった!!」
城島達はいやらしく笑って僕達を取り囲んだ。
「せいぜい後悔するんだな。おい!あそこに連れ込むぞ!林センコーから鍵は貰ってっからよぉ?」
城島はそう言って、取り壊し予定のクラブハウスを指さした。
ちなみに、林とはクラスの担任だ。
あの人・・・そんな事まで手を貸してるの?
ちょっと許せないなぁ・・・
「こっちに来てもらうぞ?」
城島の取り巻きの中で、一番巨体で力自慢の
・・・もう、黙ってられない。
「・・・おい、なんのつもりだ?」
僕に腕を掴まれて、浦崎がイライラしながら言った。
「僕に手を出すだけなら、まだ良かった。でも、これ以上は許せない。」
「なんだとてめぇ!!調子に・・・ぐああああああ!?は、離せ!離せぇ!!」
僕の言葉に激昂した浦崎。
僕はそんな浦崎の手を強く握る。
メキメキと音が鳴る。
浦崎は
「な!?」
「浦崎!?てめぇ!!」
驚愕している城島、そして、もう一人の取り巻きの
「下郎。下がれ。」
「ぐはっ!?」
美嘉さんに蹴り飛ばされ、ふっ飛ばされて気絶した。
「クズが・・・」
美嘉さんは更に気絶している下切に近づこうとする。
僕は慌てて止めた。
「ストップ美嘉さん!やりすぎちゃダメだよ?」
「だがな?お主の事をこれほど苦しめたクズには報いを・・・」
「美嘉さん!」
「・・・わかった。」
渋々下がってくれた美嘉さん。
僕の為に怒ってくれるのは嬉しい。
でも、ここは異世界では無い。
あまりやりすぎて、美嘉さんが捕まっちゃうのは嫌だ。
「あああああ!!離せ!離せぇ!!」
「ねぇ・・・浦崎くん。離して欲しい?」
「早く離せ!!離してくれよ!!」
「そう。じゃあ離すけど、次は流石に許さないよ?」
僕がそう言って腕を離すと、浦崎は手を押さえ苦しみ・・・そして、激怒して立ち上がった。
「てめぇ!ぶっ殺してやる!!」
僕に殴りかかる浦崎。
はぁ・・・やっぱりダメかぁ。
「僕は許さないって言ったのに・・・」
僕は浦崎の拳を片手で止める。
「・・・は?」
止められると思って無かったようでキョトンとしている。
「少しだけ、人の痛みを知ろうね。」
「は?がは!?」
僕はそのまま前に踏み込み、浦崎の腕を殴りつけた。
「あがああああああああ!?」
折れるか折れないかのギリギリのラインで殴ったつもりだけど・・・まぁ、折れてたらごめんね?
さて・・・
僕は城島を見る。
「ひっ!?て、てめぇ!俺を誰だと・・・」
「城島くん。君も少し人の痛みを知ろう。」
「お、俺に手を出したら、この学校に居られなく・・・」
「その時はその時だよ。」
僕は構わず城島の方に一歩踏み込む。
「くっ!?クソが!!死ね!死ねぇ!!」
ポケットから、ナイフを取り出し、僕に襲いかかってくる城島。
ナイフかぁ・・・うん、全然怖くないや。
そもそも、刺さるのかなぁ?
まぁ、当たるつもりは無いけどね。
「くそっ!くそっ!なんで当たらねぇ!殺してやる!殺してやる!!」
「はぁ・・・えい!」
僕はナイフを持っている城島の手首を掴んだ。
「てめぇ!離せ・・・『ゴキッ』ぎゃあああああああ!?」
僕はそのまま手首を握り折る。
「そんなもの持ってちゃダメでしょ?」
「良いわね!シュン!超クールよ!!」
・・・美嘉さんは何言ってるの?
って・・・ああ、そういう事か。
なるほどね。
「こら!お前ら!何やってる!!」
教師が数人走り寄ってきた。
フィナーレかな?
これなら、負けないね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます