28話 修学旅行3日目
修学旅行も最終日、最終日ともなれば疲れも溜まってくる。
私もその中に漏れず、昨晩の疲れが残っていた。
「カレンちゃん大丈夫?顔色悪いけど……」
「うん……大丈夫……ちょっと、あごが疲れただけ……」
「?」
マコちゃんのバカぁ……激しすぎんのよ……。
そう、私が清川先生に手を出したので、私は彼女達から、手酷い仕返しを受けてしまったのよ?それだけ私が愛されている証拠なんだけどねぇ……。
最終日の予定は、フルーツ公園に、勝沼って予定なんだけど?
よく調べたら、この時期にフルーツ無いし!?時期外れもいい所だった。
いちご狩りは終わってるし、メロン狩りには早すぎる。葡萄狩りなんて秋でしょ!?
誰よ?この予定組んだの!?
果物のないフルーツ公園に行くと、鮎の掴み取りをやっていた。
「マコちゃんやってみれば?」
「ひぃ!お魚を手掴み何て無理です……」
「カレンちゃんどうぞ!」
私は、胸が邪魔で下が見えないのよ?
「それじゃ、真。私と一緒にやってみよう?」
佳奈の誘いもあったので、私は鮎の掴み取りに挑戦することになった。
「捕まえたら、このバケツに入れて下さいね?」
係りのお姉さんからバケツを受け取ると、ミッション開始だ。
でも、小さい子供連れが多くて、何か場違いな気がするのは気のせいかしら?
「カレンちゃんそっち!」
「え!?どこ?」
あ、見つけた……。どうやら岩の影に隠れたみたい。
「えい!」
私は魚めがけて手を伸ばした。
「あ!逃げられた!?」
ここの鮎は元気が良いようでなかなか捕まらない。いや、そもそも泳いでいる魚を捕まえること自体間違っているような気がする。
私は熊じゃないのよ?
そうだ!熊になれば良い。熊の気持ちになって、精神を研ぎ澄まして……狙いを定めて……。
「てい!」
狙った鮎は、私の手の中に収まった。
「やった!捕まえたよ!」
「カレンちゃんやったね!」
「早く!バケツ!バケツ!」
魚が暴れて今にも落ちそうだったので、私はバケツを探した。
「ああ!」
バケツに入れようとしていた魚が滑って、手からすっぽ抜けてしまった。
そして、私の手から逃れた魚は、すっぽりと私の胸の谷間へと落ちていった。
「いやぁ!取って!取って!うひゃひゃひゃ!暴れるぅ!」
私の胸の谷間に挟まった魚は、ビチビチと動き回って、下へと落ちていく。
「真君!そのまま動かないで?」
「早く取って!うひゃひゃ!」
遥が私の胸の谷間に手を突っ込んで魚を取ろうとしたけど、魚はどんどん下へ降りていく。
「あ!ダメ!そこは!入っちゃだめ!」
遂に暴れた魚は、私の下着にまで潜り込んできた。
「カレンちゃん!もう脱いで!」
えええ!?脱ぐの?
「早く!脱いで!」
私はスカートの中に手を入れて、下着をずり下げた。すると……ぽちゃんと、服の中に入っていた魚が落ちて来た。
「ふぅ……取れたぁ……」
……でも、取れたのは良かったけど、せっかく捕まえた魚は逃げてしまったのよ。
下着は汚れてしまったので着替えたいけど、今は無理だから……後で着替えることにした。
……魚は何とかリベンジして捕まえることに成功した。
「ふふふ……もう逃がさないよ?」
取った魚は捌いて、その場で焼いてくれたのでみんなで鮎の塩焼きを楽しんだ。
「美味しい!」
「やっぱり鮎は塩焼きだね」
「頑張った甲斐があったんじゃない?」
「甲斐の国だけに?」
「うまいこと言ったって思ったでしょ!?確かに山梨県のこのあたりは甲斐の国だけど?」
鮎は美味しかった。
それから、果物を使ったスイーツ屋さんがあったのでみんなで食べた。
私は、また桃のソフトクリームを食べたよ?
スイーツを食べたら、またバスに乗って葡萄の里へ。だから、今は葡萄のシーズンじゃないよ?
葡萄狩りも出来ないし?
と思ってたら、ワイン工場の見学へ……だから、お酒は飲めないよ?学生だよ?
でも、葡萄のジュースは美味しかった。
「これなら、飲めるよ……ワインはちょっと無理ぃ」
「カレンしゃん?ひっく……ちょっと昨日はなんれすか?」
「清川先生?飲んでます?」
清川先生がべろべろになってるんだけど?お酒飲んだの?
「のんれない!のんれない!らいじょうぶらって!カレンしゃん!かえっらたら、はらしがありましゅ!」
「清川先生?大丈夫ですか?」
「らいじょうぶれす!」
駄目だ……。先生、全然大丈夫じゃ無いよ?
「先生?もうバスへ行きましょう?」
私は、清川先生をバスまで連れて行って、寝かせてあげた。うーんアルコール臭い。
流石にアルコール臭い先生にキスする気にはなれなかった。清川先生は……お酒が抜けたらね?……って思ってたんだけど?先生の方からキスされちゃったの。
「んん……んん……ちゅぅ♡」
先生……お酒くさいよぅ……。
「カレンしゃん♡しゅきぃ♡」
「先生……ここは、バスの中ですよ?」
今はバスの中に誰もいないので、大丈夫だけど……先生の為にも危険なことは出来ない。
「むにゃ……」
清川先生の頭を撫でてあげると……先生は、私の膝の上で眠ってしまった。
「はぁ……なんとか寝てくれたけど……これどうするの?」
結局、先生は起きることなく、私の膝枕のままバスは発車した。
「先生寝ちゃったの?」
「うん……このまま寝かせてあげて?」
そして……帰りのバスは、私の上で清川先生を寝かせたまま、学校まで帰る事になった。
◇◇
「先生?着いたよ?」
「んにゃ!?は!?え?カレンさん?え?私……ご、ごめんなさい!私寝ちゃってたの?」
清川先生を起こしたら……もう酔いは冷めたみたい。正気に戻っていた。
「先生の寝顔……可愛かったよ?」
「な!かかかかか……可愛い?そう?あ……あうぅ♡」
恥ずかしがる先生も可愛いよ?
先生は気を取り直して、修学旅行の最後の号令をかけた。
「はい!これで解散になります!でも家に着くまで気を付けて帰って下さい!疲れが溜まっていると思いますので、今日は帰ったらゆっくり休む事!いいですね?」
各々が返事をして……修学旅行は解散となった。
解散になっても、私達四人は帰る家は同じなので、特に変わらないよね?
「え?どうしたの?みんな?」
「真……」「マコ様?」「真君?」
え?
どうやら、私がずっと先生を膝枕していた事に不満があるらしい。
「さぁ……帰るわよ?」
私は、逃げた!先に帰るのよ?
「あ!逃げた!」
「マコ様ぁ!待ってください!」
「まったく、真君は放って置けないな?」
そして、家までの追いかけっこが始まった。
あとがき
ここまでお読みくださりありがとうございました。
執筆の励みになりますので、続きが読みたい。
更新頑張ってと感じて下さいましたら、
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