23話 七菜香先輩の引っ越し
七菜香先輩の「私もここに住みます」宣言より数日、私は七菜香先輩の家に来ていた。
何故かというと……七菜香先輩の引っ越しの準備をする為。
でも……七菜香先輩の家は、ゴミ屋敷になる程に物が多すぎる。
いや、ゴミも多いんだけど、本が特に多い。
このままでは引越しなんて……えっと、無理じゃないかな?
……という訳で、私は七菜香先輩の部屋に不用品の整理をしに来ていた。
「先輩この本はどうしますか?」
「……いるよ?」
「こっちの本は、捨てますか?」
「捨て……ないで?」
さっきから先輩に捨てるものを訪ねているんだけど、本は全て捨てられないみたい。
先輩は本が好きだからねぇ……。
結局、箱詰めした荷物は……殆どが本で占められていた。
えっと……箱の数多いんだけど?
これは……うちには、本棚を作らないと駄目らしい……。
仕方なく、私は先輩のために本棚をいっぱい購入する事になってしまった。
私達の家は三部屋繋いであるので、広さ的に言うと本棚の置き場所には困らない。
……と……思っていた私がいた。
私がこれだけあれば大丈夫だろうと、買っておいた本棚に本を並べて行くと……えぇ……まだあるの?
「七菜香先輩、本多過ぎです!何で、本が全部三冊づつあるんですか!?これなんか5冊もありますよ?」
「読む用と……保存用……あと布教用?」
「ええええ!?じゃ、こっちの5冊あるのは!?」
「どこに……あるか……分からなくて?買ったか……どうか……忘れて?」
「それは、片付けないからですよ!?」
結局、3冊あるのを1冊にしていったら全部収まった。
「余ったのは捨てますか?」
「う……うう……ひどい……」
七菜香先輩の捨てないでオーラがビシビシと伝わって来た。
「仕方ない、もう一部屋あるから、そこに入れて倉庫にしようか?」
七菜香先輩がぐずっていると、それを見ていた遥がそう提案してくれた。
やっぱり遥は優しい!大好きだよ!
……遥と佳奈は最初、先輩が来る事を渋っていた。
でも、七菜香先輩の熱意と雫の後押しで、なんとか七菜香先輩も一緒に住む事を納得してくれた。
まぁ佳奈については、本人が家出中なので、人の事は言えないんだけど……。
という事で七菜香先輩の引越しは順調に進み、最後の荷物の運び入れが完了した。
隣の空き部屋との間には、新しくドアが据え付けられ、また壁に穴が開いて隣の家と繋がってしまった。
新しく出来たドアの先は、今は物置部屋となっていて、殆どが七菜香先輩の荷物だ。
七菜香先輩は掃除が出来なくてゴミ屋敷になっていたけど、この家に引っ越して来たのでもう大丈夫だ。片付けならば他の五人がいるのでゴミ屋敷にはならないので問題なかった。
こうして七菜香先輩の家に掃除に行く必要がなくなり、七菜香先輩の生活環境は、劇的に改善したのだ。
「七菜香先輩?ゴミが出たらこのゴミ箱に入れてくださいね?」
「うん……」
「それと……お風呂は三つあるけど節約の為になるべくいっしょに入ること。トイレは別々に使ってもいいからね?」
「分かった……わ」
七菜香先輩に一通りの説明をして、六人での生活が新たにスタートした。
しかし、人数が増えたとしても……ベッドの数は変わらない。
今まで五人で三台のベッドで寝ていたのが六人に増えたので、今度は一つのベッドあたり二人で寝る事になる。
うん、バランスが取れて逆に良くなったかもしれない。
問題は人数が増えたのでベッドの使い方をどうするか、という事になる。
……一応自分の家という事で、私とカレンが真ん中のベッドになって、残りの四人は変わりばんこで左右のベッドで寝る事になったんだけど……。
それだとカレンばっかりずるいって言われたので、私はカレンに憑依してマコちゃんになって寝る事になった。
確かに……カレンと一体化した自分が本来の自分ではあるんだけど……。
でも、七菜香先輩もマコちゃんと寝れる事を喜んでくれたので、私としては嬉しかったのは本当の事だった。
「さぁ寝ましょうか?」
でも……寝る前には更新作業が待っていた。
「マコ様♡ちゅ♡」
そう、私はエッチをしないと異世界に戻ってしまう体質?なの。
同居人の他の4人に見られながら、更新作業を行っていると、七菜香先輩が……私が助けるのよ……って言っていたけど何のこと?
カレンとの行為に触発された雫と遥と佳奈は順番に私にキスしてくれた。
「ん♡真君……ん♡……ちゅ♡」
「真♡……ん…ちゅ♡」
「お兄ちゃん♡……ちゅ♡」
それを見ていた七菜香先輩は我慢出来なかったのか……最後に私にキスをしてくれた。
「カレンちゃん♡……ちゅ♡……私が♡ちゅ♡……いるから……ちゅ♡……」
そして更新作業も終わり、私はカレンに憑依して、マコちゃんになった。
『ちょっとマコ様!?どうして
『カレンもその方が気持ちいいでしょ?私と一つになれたんだから?』
『はい!気持ちは良いです!は!?騙されているような気がしますよ?』
『いいじゃない?お互い一つになって寝ましょう?』
『マコ様がそう言うなら……♡』
契約は成立したので、私はマコちゃんとして寝る事になった。
すると、真ん中のベッドは、マコちゃん一人になる。
もちろん、争奪戦が始まった。
「マコちゃんの……隣は……私」
「いーえ!妹で正妻の私が……」
「ここは、幼馴染の私でしょ?」
「では。、僕が隣に寝るとしよう」
「「「ダメ!」」」
結局争奪戦の結果、今日の隣は七菜香先輩と雫が勝ち取ったらしい。
真ん中のベッドは七菜香先輩とマコちゃんの二人で寝ることになり、先輩は私を胸に抱いて眠りについた。
「おやすみ……マコちゃん♡……ちゅ♡……大好きよ♡」
「うん♡おやすみなさい七菜香先輩♡」
雫も反対側から抱き着いて来たので、とてもいい寝心地だった。
「……ん♡お兄ちゃん♡おやすみぃ♡……すぅ……むにゃ……」
あとがき
ここまでお読みくださりありがとうございました。
執筆の励みになりますので、続きが読みたい。
更新頑張ってと感じて下さいましたら、
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