13話 七菜香先輩とデート2
七菜香先輩とのデートも、お昼を過ぎてからは振出しの駅に戻り、私は七菜香先輩にお持ち帰りされることになった。
決して私に下心などは無い。だってこの体はマコちゃんだから……私じゃない。
駅から狭い商店街を歩くこと10分、七菜香先輩の家は4階建てのマンションの2階だった。
「ここ……」
七菜香先輩が指さしたのは2階の3号室だった。なるほど覚えたよ?
次があるなら一人で来れそうだ。
七菜香先輩は鍵を開けると私を招き入れてくれた。
「入って?」
「えっと、いいんですか?」
「うん」
ちょっと待って……。入れないんだけど?
どうやら先輩は一人暮らしらしい。ワンルームでもすこし広めの部屋なんだけど……。
足の踏み場が無かった。
七菜香先輩の家は、所謂……汚部屋だった。
七菜香先輩!?片づけて下さいよ!?
「入って?」
……はい。七菜香先輩の圧力に負け私は家に入ることにした。
「おじゃまします?」
「友達……も含めて……恋人を……家に、入れるのは……初めて……」
そうだよねー!汚くて、入れないもんねぇ!
兎に角、本が多い。そしてゴミが多い。
「七菜香先輩?部屋片づけてます?」
一応聞いてみたよ?
「私、本を読むと……周りの事が……出来なくなって……」
「すると?先輩は本を読むので精いっぱいで、他に何も出来ないと?」
「うんうん」
先輩はコクコクと頷くと何故か、どや顔で胸を張っていた。
えっと、どう反応すればいいの?仕方が無い……。片づけよう。
「七菜香先輩?私が片付けます!いいですか?このままだと病気になりますよ?」
先輩はコクコクしているけど動かない。
いいよ私がやるよ?
結局先輩の部屋をずっと片づける羽目になって、気付けば夜になっていた。
「どうですか?先輩!これで寝れるでしょ?」
「うん、すごい……マコちゃん!」
結局夜遅くまでかかってしまったので、もう夜の10時を回ってしまった。
となると困るのが契約更新だ。カレンとの契約更新をしなくてはならないけどこのままだと更新出来ないで異世界へ戻ってしまう。
一回異世界に戻ってリセットしてもいいんだけど。
「遅くなっちゃいましたね?」
ちなみに夕飯はピザを頼んで二人で食べた。そしてまたゴミが増えたよ?
「今日は……ありがとう♡……よかったら……泊っていく?」
確かに泊まれるだけの場所は確保した……。けどこのままだと更新できない。
いつかは先輩に本当のことを話さなくてはならないんだけど……。
七菜香先輩には、お世話になっているし、すでに付き合っている関係だ。
……先輩に話そう。そして謝ろう。今言わないと駄目な気がした。
「泊る前に……七菜香先輩?あの……実は先輩に秘密にしていた事があるんです」
「本当は、私はマコちゃんじゃないんです。いえ本当の桜川真なのは本当で……」
自分でも何言っているか分からない。
「?」
ほら先輩も首をかしげているし?意味不明なのは分かっている。
「見て貰えば分かると思います。私は一人に見えるけど……これでも二人なんです」
私は憑依を解除した。するとカレンは目覚めて。金髪ロリ巨乳の私がカレンの隣に付き添うように現れた。
「マコ様!酷いですぅ!うえええええん!うえええええん!」
「カレン!ごめんなさい!もう泣かないで!私が悪かったから!」
「ひぃ!誰?……なんなの?」
流石の七菜香先輩も、あまりの出来事に引いている。
「マコさまぁぁぁぁぁ!」
先輩に説明するのとカレンを宥めるので、結局二時間もかかってしまった。なので急遽カレンとエッチすることになった。
「七菜香先輩とデートしていたのは、実はこの私なんです。すみません私は、カレンと言います。マコとは体が入れ替わっているので、私が本当の桜川真なんですけど……信じませんよね?」
「信じ……られないけど……気持ちは分かる……かな」
「え?」
「だってさっきの……マコちゃんと……あなたは、話し方が……一緒だから……分かるよ?」
「あと。私は異世界から来ているので……実は、カレンとエッチしないと、この姿が保てないんです」
「えええ?……するの?……でも…仕方ないの?」
「仕方ないんです!ごめんなさい!」
私はカレンにキスを落とすと、いつものように……更新作業を開始した。
流石の七菜香先輩も、私とカレンのエッチに若干引いていたけど、七菜香先輩もついでに仲間にして3Pへなだれ込んだのは秘密の話。
「あの……それで……私と……付き合っているのはどっち?マコちゃん?カレンちゃん?」
「私です。この体の名前は、カレン・グランチェスカ。元公爵令嬢で異世界から来ました。中身は桜川真です」
「カレンいえ、マコちゃんは異世界の知識しか無くて……彼女に勉強を教えるには、私が一緒になって勉強するのが効率が良かったんです」
「なんか……複雑ね……良く、分からないけど、カレンちゃんが私の?恋人?でいいの?」
「それが……私、他にも女の子の彼女が3人いて、そこのカレンとも付き合ってるんです。実は七菜香先輩で5人目ということに……」
「マコ様?いい加減に彼女を増やすのは止めて欲しいです!」
「あはは……面白い……カレンちゃん……常識外れって……素敵です♡」
「え?そ、そうなの私、異世界から来たから、常識分からない?」
「んふふ……カレンちゃん……って本当……面白いわ……大好き♡」
その日は、雫に帰れない旨を連絡して七菜香先輩の家に泊まった。
ベッドは一つだったので、結局カレンに憑依し直して七菜香先輩と一緒に寝ることになった。
もちろん私は七菜香先輩の恋人なので、同衾したらやる事はやる。
七菜香先輩は暖かくて抱き心地は、最高だったと言っておこうかな?
あとがき
ここまでお読みくださりありがとうございました。
執筆の励みになりますので、続きが読みたい。
更新頑張ってと感じて下さいましたら、
☆☆☆、♡にて応援をよろしくお願いします!
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