7話 あんたはあたしのカレンの何なのよ?


 

 シャルに憑依し、そのまま寝ていた私は夜中に目が覚めた。シャルに憑依したままになっているけど、寝ているのかシャルの意識は無い。


 おかしい、私は確かにカレンの召喚「顕現イーラ」を聞いていたのでカレンの所にいるはずだった。シャルの意識は無いけどシャルに憑依しているのでシャルの体は動かせる。


 今日は召喚されなかったのかしら?


 まだ眠かったので、朝起きたらシャルも起きるだろうと、私は特に気にせず寝ることにした。



◇◇




 マコ様からは向こうの世界での生活について聞かされていなかったけど、既に結婚していて、嫁がいるなんて聞いていません!


 しかも、相手は女の子です!百合百合です!


 マコ様が処女だったのもこれで説明がつきます!マコ様は百合だったんです!


 わたくしが婚約破棄されるのも納得です!


 女の子同士なんて!雫ちゃんや遥ちゃん佳奈ちゃんと付き合っているのも百合だからです!


 このままでは、わたくしのマコ様がみんなに取られてしまいます!


 結婚してるなんて……手遅れかもしれませんが、なんとかしなくてはなりませんね……。


 わたくしは、何か良い方法が無いか考えました。


 結婚している……女の子同士……子供は出来ない……男の経験はない……。


 そうです!異世界に帰る理由が無くなればいいんです!あの赤毛女と別れさせる!そうすればマコ様はわたくしと、ずっと一緒に居てくれるはずです!


 手始めにあの赤毛女に男の子の良さを教えてあげましょう!百合だからいけないんです!

 男の子の良さに気付けば、マコ様から離れてくれるはずです!


 でも、赤毛女と永続契約は絶対にしたくありません。


 更新なんてしたら……マコ様に会えなくなってしまいます。



◇◇



 カレンに憑依して貰って、みんなでいっぱい楽しんだ後は直ぐに眠りに落ちたはずだった。聞き覚えのないうるさい声で叩き起されたあたしの目の前には、黒髪黒目の美少女?

 いや、女の子と見間違える程の美少年にあたしの裸をジロジロ見られていた。


 やばい、私の貞操の危機!気を失ってる間にやられたかもしれない。


 と思って警戒してたんだけど、どうやらここは異世界で、目の前の人はカレンさんで、マコという人の体の中にいるらしい。


 という事は、このマコと言う人の体は、元々はあたしのカレンのものだったと言う事で。


「そっかぁ!やったぁ♡あんたがカレンの本来の体なのねぇ♡やっばい♡カレン男の姿も最高♡超好みなんですけど?」


 私の目に狂いは無かった。カレンの中身がこんな素敵な人だったなんて。


「やっぱり、カレンは元の体もええのう♡」


 もう!カレン大好き♡


「もう、さっきからあなたは、何なんですか?」


「だから、あたしはカレンのパーティメンバーにして、最愛のカレンのお嫁さんよ?」


「ええ?」



 ちょっと見栄張っちゃった。本当は結婚してないけど。まだただの同居人だけど?カレンはあたしの事大好きって言ってくれたからねぇ。


「そっちこそ、あんたはあたしのカレンの何なのよ?カレンの本物さん?」


わたくしは、マコ様の恋人です!彼女です!」


「それはおかしいっしょ?カレンが男の子嫌いなの、知らない訳じゃないんでしょ?」


「それに、あんた男の子じゃん?」


「うぐぐ……それは……」


わたくし、……わたくしは!マコ様の体と一つになった存在!言わば既にマコ様と合体、もとい結婚しているも同然なのです!」


 意味分からない何とか理論!?いや、あんた中身入れ替わってるだけっしょ!?


「そう、わたくしこそがマコ様そのものといっても過言では無いのです!」


 それは無いわ〜変態通り過ぎて痛すぎじゃん……。


「向こうのカレンと結婚しているなら、このマコ様の体が欲しいでしょう?……でも、あげませんよ?」


「別に、間に合ってるし?昨日なんて一晩中カレンとエッチしてたし?今日はカレンと3Pしたまま寝ちゃった……」


「なななな……一晩中!?さ、さんぴー!?わたくしの体でなんて事!?」


「そう言えば、向こうのカレンはあんたの体だったっけ?穴という穴はあたしが、たっぷり愛してあげたわよ?フフフ……ご、ち、そ、う、さま♡ 元カレン♡」


「いやあああああああああああああ!!」


 赤毛の女シャルちゃんは強敵でした。マコ様の、いえわたくしの体の隅々まで見られているなんて……恥ずかしくて死にそうです!


 もう、赤毛女は、速攻で契約解除してやりました。



◇◇



 シャルに憑依して4人でエッチした次の朝、私は憑依を解除して、シャルの寝顔を見てたらまたムラムラしてきたので、寝ているシャルの口に自分の唇を合わせて軽くキスをした。


 今朝は召喚された記憶がないという事は、私は昨晩はカレンに召喚されなかったという事になる。


 婚約を解消してしまったので、愛想でも尽かされたかしら……。


 シャルの柔らかく弾力のある乳房の先端を口に含みながらシャルが起きるのを待つ。


 ぷっくりとシャルの先端は起きたけど、肝心のシャルは起きない。


 カレンと更新しなくなった事で、どこか物足りない自分にイライラする。


 シャルの半開きの唇に舌を入れて、シャルの口を完全に塞ぐと、苦しくなったのかシャルの顔が歪んできた。


「ぷ!はぁ!!はぁはぁ!!ってカレン!?何なにぃ?もうあたしが恋しくなっちゃった?」


「そうね……そうかも知れないわ」


「しょうがないねぇ……カレン♡」


「ん……っちゅ♡」


 シャルと暫しの間愛し合ってから、シャルは昨日あった事を話し始めた。


「シャルが代わりに召喚されたの?」


 憑依中は憑依されている方が召喚されてしまうのかしら?まだ分からない事が多い。


 シャルには完全憑依していたので、軽く憑依した状態ならばどうなるのか?


 まだテストが必要だ。


「そうなんよねぇ、でさでさ、カレンの男の子の体?……見て来たよ?」


 カレンに召喚されたんであれば、私の元の体を必ず見ることになるわね。


「……そう?それで?私の昔の姿の感想は?」


「めっちゃ好みだったよぉ?綺麗で可愛くて超美人さんだった。もう、カレンの事惚れ直したよ!」


 その感想は、元男としてどうなのかしら?


「そう……ありがとう?」





あとがき


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