10話 カレンと〇〇が修羅場すぎる
私は委員長、結城遥と付き合う事になった。
今日からお弁当を作るので寝不足の中、早起きして準備する。
カレンは料理が出来ないので私が作っているのだけど、お昼は憑依しているから一人分でいいかしら?
さて、準備完了っと。後はカレンを起こさないとね。
おはようカレン。朝ごはん食べて行くわよ。
う〜ん、マコ〜様♡朝からカレンのマコ様が治まらないんです。助けて下さい。
カレン?それは生理現象だから仕方ないわ。
……マコ様〜♡。
分かったから早くしてね。
……その顔で迫られたら断れないのよ。
「んっ……ああん♡」
……暫くお待ち下さい。
◇◇
カレンの処置が終わり、時間もないのでロールパンを齧りながら家を出る。
なんかインターホンの音がしたような気がするけど、カレンの処置に夢中でそれどころじゃなかったし。
家の前には雫と佳奈、それに遥までいる?
カレンと二人で家を出て来たので、まだ憑依はしていない。
そう、カレンの隣には金髪碧眼ロリ巨乳の私がいるのよ。
状況を理解していない幼馴染の佳奈が、私を指差している。
「真!金髪美少女を連れ込んで何してんのよ!?」
◇◇
side 佳奈ちゃん
昨日は雫ちゃんに出し抜かれたので今日はいつもより早めに、まだ暗いうちに家を出た。
今日は負けないよ、雫ちゃん。
真の家に近づくと焼いたパンの良い匂いがしてきた。
真、朝ごはんの用意でもしてるのかな?
インターホンを鳴らそうとボタンに指を置いた時、部屋の中から女の子の艶めかしい嬌声が聞こえてきた。
え?嘘!?
まさか雫ちゃん?駄目だよ?そんな事しちゃ。嫌だよ、嫌、イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!!!!
止めてよ!!!真の相手は私でなきゃ嫌だよおおおおおお!!!!
暫く耳をふさいだまま玄関扉の前で放心していると、後ろから話しかける声が聞こえた。
「おはようございます、藍沢先輩、委員長先輩」
後ろに立っていたのは二人、雫ちゃんと委員長だった。
「……おはよう?雫ちゃんに委員長」
「うん、おはよう、藍沢さん、妹くん」
え?雫ちゃんがここにいるって事は、部屋の中にいる女は、誰?
玄関扉を睨んでいると勢いよく扉が開き、真ともう一人、金髪碧眼のロリ巨乳の美少女が部屋から出てきた。
誰よぉぉぉぉぉぉ!?この美少女ぉぉぉぉぉ!?
「真!金髪美少女を連れ込んで何してんのよ!?」
「いや連れ込んでないよ?一緒には住んでるけど」
な!まさかの同棲ですかぁぁぁぁ!?
「あ、お兄ちゃんおはよう!」
「真君にカレンちゃんおはよう!」
え!?私、完全にスルーですか!?
雫ちゃんは真と腕を組み、委員長は金髪美少女と腕を組む。
空気について行けないのは幼馴染の私だけなの?
「私だけ腕組めない!?そんな、真!」
「佳奈ちゃんも手繋ごう?」
真はそういうと空いた方の手を私に差し出してきたので、私は咄嗟に真の腕に抱きつき胸を押し付ける。
「んと、良く分からないけど?さぁ行きましょう!」
真はそう言うと、両手に花状態で身動きが取れないまま歩き出す。
「腕を組んでおいてなんだけど、真、この金髪とはどう言う関係なのよ?」
「え!?婚約者ですけど?」
「は!?」
「僕の彼女でもあるよ」
「はぁぁぁぁぁぁ!?」
この金髪女が、真の婚約者で委員長の彼女!?何それ!?
「そして、私はお兄ちゃんの物なの!」
雫ちゃんまで、お兄ちゃんの物宣言!?
「ん?……ってお兄ちゃん?私と言う妹がありながら彼女ってどう言う事?私、聞いてない!」
「私も浮気された側なんで聞いてないですよ!?隣にいたけど!」
何なの!?この状況おおおおお!!!!
誰か、説明プリーーーーズ!!!!
◇◇
side カレン
学校に着く前に、何とかマコ様は私に憑依してくました。これで今日も学校の授業はばっちりです。
事情を知らない人もいるので、マコ様は帰った事にしてます。
自分はマコ様の幼馴染と言っている佳奈ちゃんは、ずっと怪訝な顔をしていました。
遥ちゃんは、ちょと寂しそうにしていたけど、マコ様は私のものです。渡しませんよ?
昨日はお弁当を忘れたので、お昼がまともに食べられなかったけど、なんと今日はマコ様が作ってくれました!
すっごく楽しみです!
本当はマコ様と二人で食べたかったけど、一人分しか作ってくれませんでした。
マコ様はお腹空かないのかな?
◇◇
ホームルームで部活の話が出ました。
「え?部活ですか?」
先生が言うには、新入生向けに部活動のオリエンテーリング?というのがあるらしい。
『マコ様は何か部活はやっていたんですか?』
『私は興味無かったから帰宅部だったわよ』
『なるほど、帰宅部に入っていたんですね?』
「では私も、帰宅部に入ります」
『まぁ、結局は一緒に帰るんだし帰宅部よね』
帰宅部楽しみです!
『あはは。カレンちゃんは帰宅部の意味分かってなさそうね』
部活も決まり、そうそう遥ちゃんは結局委員長になったみたいです。
「僕は、委員長って柄じゃ無いんだけどなぁ」って言ってたけど、遥ちゃんには合ってると思います。
◇◇
そして、やって来ましたお昼の時間!
他の学校には給食というものがあるらしいけど、この学校には学食と購買っていうお店があるので、お弁当の無い人は買って来るみたいです。
『マコ様?昨日もそこで買えば良かったじゃ無いですか?』
『カレンお金持って無かったでしょ?買えないわよ』
そうでした。
今日も机をくっ付けて佳奈ちゃんと遥ちゃん、3人一緒のお昼です。
「今日はお弁当なんだね?真君」
「はい!マコ様のお手製です!」
「ふーん、真君の手作りか、羨ましいな」
「真は、一人暮らし長いから良く作ってたもんね?私が作ってあげるって言った時も断わるし?」
「あはは、それって単に相手にされて無かっただけじゃ……」
「委員長?」
「……いや、別に?それより真君のお弁当の味はどうだい?」
「とっても美味しいです!」
私は頬に手を当てて、頬っぺたが落ちないように至福の表情で天井を見る。
至福の表情でもぐもぐしていると、佳奈ちゃんが和を乱す発言をしました。
「そー言えば真?、朝はスルーされちゃったけど、あの女とは何時から同棲しているのよ?」
あわわ、私の事聞かれています?私はマコ様、私はマコ様、よし。
「あの女って、えっとぉカレンちゃんの事ですか?たしか4日前くらいからでしょうかね」
「へぇ……。け、結構最近なのね……。でも婚約なんて嘘なんでしょ?今までそんな話無かったじゃない?」
(あんなのウソに決まってるわ。真の事は私が一番知ってるんだから)
「本当の事ですよ?私の(この体に)一目惚れで、運命とでも言うのでしょうか」
「いやいや、一目惚れで婚約までしないでしょ普通?」
「へぇ、ベタ惚れじゃないか羨ましいよ」
「って委員長、あんたもあの金髪女と、付き合ってるんじゃないの?意味分かんないわよ?ビッチなの?ビッチよね?あの金髪女!?」
「そうだね、真君は性別が変わっても、私の好きな真君のままだったからね」
「え?全く意味分かんないんだけど?」
「藍沢さん、幼馴染の癖に、まだ気付いて無いのかい?」
「何よ?」
「本当の真君が誰なのか?」
「あわわわわ!遥ちゃんバラさないで下さいよ?」
「藍沢さんには知る権利があると、僕は思うよ?」
「分かりましたです。そう言う事でしたら、佳奈ちゃんには放課後に事情を説明するので待ってて下さい」
「よく分からないけど分かったわ!朝の件も、ちゃんと説明しなさいよね!その、エッチな、コトとか……」
「あれれ、見てたんですか?朝のいちゃいちゃ」
「見てないわ!聞こえたのよ、エッチな声が、って何言わせるのよ!バカぁぁぁぁぁぁ!!」
そして、入れ替わりを知らない佳奈ちゃんとは放課後に一緒に帰る事になった。
マコ様が私に憑依出来る事を知っているのは妹の雫ちゃんだけですが、佳奈ちゃんと遥ちゃんにバレたらヤバイので、絶対に教えませんよ!?
そして午後の授業も終わり、放課後がやってきた。
あとがき
修羅場になっているこの状況、佳奈ちゃんがんばれと思いましたら星、♡にて応援の方よろしくお願いします。
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