3話 カレンと買い物


 今日は、日曜日。


 私がカレンと出会って2日目となる。

 今日は買い物をする必要があるの。

 何故かって?

 そうよ、全裸で召喚されたので、私の服が無いのよ!悪い?


 カレンは、この家から出るのが初めてということもあってキョロキョロと興味津々といった感じに見える。


「マコ様!大きい建物が一杯です!!」

「ああ!こっちは、鉄の塊が動いてますよ!!」

「鉄の塊がいっぱいです!中に人が入ってます!」


 私は、カレンにビルとか車の説明をしながら市内のショッピングモールに向かった。


 まずは下着売り場に行きましょう。


「はぅぅ!!かわいい下着が一杯です!!」

「あー♡マコ様!これが良いです♡これ下さい。」

「サイズを合わせないと買えないわよ?」

「店員さん!胸のサイズを測って下さい!」


「あの当店は、男性向けのブラジャーは置いて無いのですみません」


 ランジェリーショップの店員さんが困った顔をして言った。

 カレン〜店員さんを困らせないの!もう。


「あっ……店員さん。私のサイズです。見てもらえます?」


 一度も測ってないからサイズが分からないのよ。


「はい!かしこまりました。サイズを測りますね。こちらへどうぞ」


 サイズを測り終わったので合わせたブラジャーとパンツを購入。

 私のカップは大きいので結構な金額になる。因みにGカップだ。

 女性物の下着って高いのね。

 忘れちゃいけないのがショーツと生理用品と小型のポーチも買っておく。


 次に、婦人服売り場で洋服を選ぶ事にする。

 私は服の事はよく分からなのでカレンに任せることにした。


「これが良いです♡マコ様にはこれが似合います!」

「これを着て下さい!ああ!!こっちも良いですね!」


 結局何度も試着して可愛い服を3着ほど購入してからカフェで休憩する事になった。


「この……パフェっていうのが食べたいです!」

「私はコーヒーで良いわ」


 カレンは、チョコレートパフェを食べながら至福の表情をしている。


「んん〜〜♡♡コレは凄く美味しいですよ!」

「何ですか!こっちの世界は反則です!食べ物が美味しすぎて、もう元の世界に帰れませんよ?絶対に帰りませんよ?」

「帰る予定は無いんだから良いじゃ無いかしら?」


 カフェを出て併設されたスーパーに寄って買い物を済ませ家に帰る。


 やる事は多い。


 私は、転生前は前城山高校に通っていたので、カレンは高校2年生ということになる。


 となれば高校に通わせなければならない。

 カレンは授業についていけるのかしら?

 教科書、ドリル(小学生向け)を出してカレンにやらせてみる。


「これは?」

「読めません!」

「こっちは?」

「分かりません!」


 案の定、カレンはお馬鹿だった。

 異世界人のカレンにとって、こちらの世界の授業内容なんて分かるわけが無いのだ。


「やっぱり、文字も読めないのね」


 明日から登校なんだけど、最悪、休学かしら。

 もう人生詰んだかしら、と諦めかけた所で異世界での自分のスキルを思い出す。


「ステータスオープン」


 あら、開いたわステータス。これなら何とかなるかもしれないわね。


「カレン、ちょっと良いかしら?」

「何でしょうか?夕飯はオムライスが良いです!」

「分かったわ。そうじゃなくて、聞いて」

「今からカレンに私のスキルを見せるから見ていて欲しいの。良いかしら?」


「マコ様のスキルですか!?見たいです!見せて下さい!!ばっちこいですよ!」


「じゃ、行くわよ」


憑依イシュターラ!』


 スキルが発動すると、私の姿は薄くなり消えていく。


「マコ様!?マコ様が消えちゃいました!?酷いです!!」

『カレン?私はいるから安心して』


「マコ様!?どこにいるんですか?意地悪しないで下さい!」

『今は私のスキルの力でカレンの中にいるわ』


わたくしの中ですか?子宮の中ですか?赤ちゃん出来ちゃいますか?」

『違うわよ。精神体としてカレンの体に同調しているの』


「良く分かりませんが、マコ様とわたくしは一心同体と言うことですね♡」

『それを言うなら、二心同体ね』


「エッチよりも一つになれたと言うか、充足感というか安心感があります!」

『それは、良かったわ』


 スキルで確認したかったのは、さっきの勉強の件であるので、もう一度教科書とドリルを開いて見る。


『どう?読めるかしら?』


「これは、ちゃんと読めます!計算も!式が頭に浮かびますよ!?」


『学校はこれで乗り切るとして、同調した際の経験知識はちゃんと残るから、続けていればちゃんと生活出来る様になるはずよ』


『それと、私のスキルには特に制限は付いていないから安心していいわよ』


「さすがはわたくしのマコ様です♡大好きです♡」


『私もカレンが大好きよ』


 自分が好きと言う意味では、自己愛とも取れるわね。


 スキルを解除してオムライスを作る。


 オムライスを頬張るカレンの顔は幸せ一杯で、お代わりまで要求されるとは思わなかった。

 お願いだから太らないでよ?



 そんな懸念は、いちゃいちゃノルマによって夜の間には解消するのだった。

 永続契約?……なんてさせないわよ?

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