第一章 運命の出会い編

1話 スキル顕現と、カレンの婚約者



 が元の世界に帰ってこれたのは、カレンのスキル『顕現』の発動によるものらしい。

 そういえばこっちに来る前に イーラ?って聞こえたのがそうなのかしら?


「そうなんです!わたくしのステータスに表示されていたので間違いないです」

「それって、私でも見れるのかしら?」


 そのステータスがこっちの世界で使えるなんて、あるのかしら?

 ちょっと気になったので、私はカレンにステータスを見せてもらうことにした。


「ステータスオープン!」


 カレンが表示の呪文を唱えると、青白い光と共にカレンのステータスが表示された。


「確かにこれは、向こうの世界でいう所のステータスね。……本当なのね」


 向こうの世界にはステータスがあったし、使ったこともある。

 ただし、人には見せられないのが普通だ。

 私にもカレンのステータスが見えるということは、カレンとの繋がり『顕現』によるものだと思う。


「えっと、スキル顕現の説明は見せられる?」

「そう言えば良く読んでなかったです」


 カレンはそう言うと、スキル顕現の詳細を開いてくれた。


「これです!これがマコを呼んでくれたスキル『顕現』ですよ?」



 顕現――最も魂の近き者を召喚し、現世に顕現させる。


  顕現の効果時間は1日。

  効果時間の更新には顕現者との1日1回の濃厚なエッチが必要。男女問わす

  

  永続契約方法・・・顕現者と契りを結ぶこと。



「はぁ!?何よこれ!?」

「え?何ですか?何か問題でも?」

「問題よ!大問題よ!!効果時間が1日しかないのよ?」

「また呼べばいいじゃないですか?」


「いい?カレンがこの世界に来てから顕現を使うまでの時間はどのくらいだったかしら?」


「えっと、1時間くらいですね」

「私が向こうの世界にいた時間は約2年よ?」

「どういうことですか?」


「時差があるのよ!こっちの世界で1日過ごしたら向こうの世界では48年経過するということよ!」

「え?じゃ契約が切れたら……」

「最低でも良くて私はおばあちゃんね。最悪だと……死んでるわ」

「え?そんな……」

「私が死んだら、多分別の何かが顕現するでしょうね」

「いや……です……嫌です!そんなの!!」


 カレンは私に縋りつくように抱き着いてきた。

 私の方が背が低いので、カレンの腕に私の頭が抱えられるような格好だ。


「対策が無い事は無いけどね。効果時間の更新と、永続契約の方法が書いてあるわ」

「早速、更新しましょう!でも、折角だから永続契約の方がいいですね!」

「カレン?ちぇっと、更新と永続契約の条件はちゃんと読んだの?」

「もちろん!読んで無いですよ?何か問題でも?」


 カレンは天然なのかしら?

 ちょっと、いや……かなり心配だわ。


「永続契約は、その、私と契りを結ぶことなのよ?」


「へ? え? マコと……契るんですか?……あう……それは、恥ずかしいです。わたくしの体ですよね?」


 そうよね、そんな簡単な問題じゃないわ。


「では、……わたくしと更新します?」


「実は……更新にも問題があるのだけど?」

「でも更新しないと、マコとは今日でお別れなのですよね?」

「えぇ……そうね」

「マコ!お願いです!わたくしと、更新……してください!」

「本当にいいのかしら?私とその、エッチな事をするのよ?それも、毎日よ?毎日しないといけないのよ?」


「ひゃッ!?エッチですか?……い……いいです、よ。マコとなら。でも……初めてなので優しくして下さいね?」


「はぁ、……分かったわよ、でも本番は無しよ?」


 全く、初めてのエッチの相手が自分とか……それって絶対に自慰と同じじゃない?

 

 女の体に慣れたとは言え、真は元が男であるから同性を除けば、男性とのそういった経験などゼロであった。ちなみに女の子なら、ばっち来いである。


「そういえば、マコは2年も私の世界で暮らしていたんですから、もしかして経験豊富だったりするんじゃないですか?」


「ハッ!!だとしたら、わたくしの体は既に傷ものにされているんですね?酷いです!責任取って下さい!」

「いや、私は処女だから……。安心して?」

「いいえ!安心出来ません!確認します!わたくしの体は、わたくしが確認するんです!今すぐにです!!さぁ脱いで下さい!!」

「ちょっとっ!自分で脱げるから!ちょっと待って!」

「待ちません!わたくしが脱がせます!むしろわたくしが脱ぎます!」


「ちょっと待ってぇぇぇぇ!!!脱がさないで!!あっ……そこダメ!!あああっ!!いやぁぁぁ!!!」


◇◇


「はぁ、はぁ……カレン、これで……納得した?」


 私の処女膜を確認したカレンは火照った顔を私に向けて言う。

 ちゃんと最後まではしてないわよ?


「はい!確認できました!ありがとうございました!」

「純潔のまま、綺麗な体のまま、わたくしの体を守ってくださったのですね。マコ様♡本当にありがとうございます♡大好きです♡」


「分かってくれればいいわ」


「えっと……それでですね、あの……マコとわたくしは、もう恋人って事でいいんです?よね?」


「はぁ?」


 の顔で上目遣いしてくるなんて、自分可愛すぎるじゃないの!もう!


「……そのうち契ったら子供まで作る予定なのだから、婚約者でもいいんじゃない?」


 まぁ……契りを結べば結婚したも同然よね?


 こうして異世界に転生したと思っていたは、元の世界に召喚され、カレンの婚約者となったのだった。


 ただ、前途多難な事は間違いなかった。





あとがき


1話から既に終わったような感じですがここから始まりです。

真は元の世界に残るため、いやいやながら婚約してしまいました。

一方的なカレンの思いは伝わるのか?


またスキル顕現の条件を変更しました。修正中なので変なところもあるかもしれません。順次修正していきます。


 子供を作る→× 契りを結ぶ→〇


もし、カレンの今後が気になった方は応援よろしくお願いします。




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