慣れ親しんだ学校生活の描写は、どれも懐かしく思えるほどに子供たちの日常や悩み事が詰まっている。
それを唐突に強烈な違和感に切り裂かれて唖然とした。
ありえないはずなのに、本当にどこかであった風習や文化なのではないかと不安にさせる衝撃的な世界観。
現実を超えた非日常の仕組みに、そしてそこで平然と生きる人々。淡々と語られる残虐性に、思わず一度読む手を止めてしまった。
読みやすいが緊張感のある文章運びで、あっという間にじっくり読めるという不思議な体験ができた。
また斬新な設定と古典ホラー踏襲のバランスが良く、傑作。