第5話 モブは作戦を立てる。あっ、妹はめっちゃ天使です
『いいわ、やってやるわよっ!』
無事、七香が罠に掛かってくれた事で、寝取りを妨害するためにメインの登場に接触しやすくなった。
と、いうことで作戦を考えなければ。
七香の行動パターンはエロゲを攻略済みの俺からすれば全て読める。
……思い出すだけでも腹立たしいが。
ただ、七香だけではなく、恋人関係である勇臣と遥の認識も少しばかり変えていかないと、寝取りルートをぶち壊すことが難しい。
下手に遥の方に加担すると、惚れられるという可能性が……いや、まさかな
最初に主人公の勇臣と中を深めるのが無難だな。よし、明日からは勇臣に接近して——
「お兄ちゃんってば、聞いてるの!」
「へっ、あ……聞いてる! もちろん聞いてるよ!」
そういえば今は妹と夕ご飯中であった。
夕食のメニューは未那特製の唐揚げ。
こんがりときつね色の唐揚げは、外はカリッと、中はジュワッとお店レベル。ご飯が進み、3杯目をおかわりしたところまでは覚えてる。
「じゃあ、さっきの話どうなの?」
さっきなに話してたけ? 全く覚えてない。とりあえず適当に……と。
「ああ、もちろんいいぞ。可愛い妹のためだからな」
「ほんと! やった! 言質取ったからね! べっ、別にお兄ちゃんに仕方なく頼んむんだからねっ! 最終手段として仕方なーーく、だから!」
ちょっと待って、本当になんの話をしていたの? 頼む? 俺に何を頼んだのよ、妹さんよ。
中学3年生と絶賛春期真っ只中で受験生の未那。こうやって構ってくれるのも今だけかもしれないし、極力お願いは聞いてあげたいが……。
まぁお兄ちゃんに頼むって言ったら、欲しい物買ってとかだろうな。うん、全然OKだ! むしろ可愛い妹に貢ぐって……なんかいい。
「お兄ちゃんをどんどん頼っていいからな! 未那が高校に通い始めたら、カッコいい彼氏ができて、お兄ちゃんはゴミィちゃんになって、構われなくて死ぬし。ハッハッハッ!」
「いやいや、死ぬって……。私は別に高校に行っても彼氏作るつもりないし、お兄ちゃんは家族なんだし、普通に構うでしょ。そっ、そもそも……お兄ちゃんのことは、嫌いじゃないし……」
「……」
俺の妹……天使かな?
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