第2話 シューシューというコロッケが食べたくなった………後編
そうこうしているうちに揚げたてのコロッケが食べたくなった。衣の上で油がしゅーしゅーする奴である。
口の中でほお張り熱々ホクホクを食べるのだ。食べたいと思うと矢も楯もたまらなくなり果敢に挑戦した。
しかしこれが思いのほか手間が掛る。ジャガイモを茹でマッシュポテトを作る。
別にひき肉や玉ねぎなどの野菜をみじん切りにして、炒めておく。
そしてそれを混ぜ合わせて、たわらの形にまるめる。ここまでで優に2時間は掛った。
そして小麦粉、卵、パン粉を付けて揚げるのにまた1時間、都合3時間以上は掛った。
手強さで言えば横綱級である。大満足の出来ではあったが、この苦労は筆舌に尽くし難い。本当に家事をする女性の凄さには脱帽である。
1ヶ月後くらいにS急便の藤田さんがまたやってきた。仕事の話を早々に切り上げると料理談義に話が弾んだ。
僕はあの難渋した「コロッケ」作りの苦労話をこと細かく報告した。
そうしたら藤田さんも同じようにコロッケが食べたくなって挑戦したと言う。休日に半日以上掛けたらしい。
「いやァ、あれは大変ですよねェ」と互いにその苦労を分かち合い、そして讃えあった。リスペクトという奴である。
しかしその後、僕はこの藤田さんをさらに尊敬することになるのである。
「それでねェ、出来たポテトを半分に分けて、半分は普通のコロッケにして、半分はカレー味にしたんですヨ!」
「いやァ、本当大変だったわァ」
僕はまたびっくりした。
仕事が出来る人は料理も違うわ。
またまた脱帽。こういう人達に囲まれて暮らす生活は、とても楽しい。本当にありがたいことです。
勿論仕事もやっていますから、ご心配なく。
シューシューいうコロッケが食べたくなったので………作ってみた! Ochi Koji @vietnam
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