なんでお前みたいな奴のために
ああそうだ。俺は別に自分が今の社会を変えようと思ってるわけじゃない。ただ、
『今の社会のままでいいと思ってる奴は、自分がその<特殊な事情>側になった時にいろいろ大変な思いをするようになっても文句は言うなよ?』
と思うだけだ。加えて、
『俺は好きで羅美を支えようとしてるだけなんだからお前らが何を言っても俺には届かんし貸す耳もない』
ってだけだ。
俺が、自分の責任において選択したことで苦労しようがどうしようが、お前らには関係ないだろ。他所様の生き方に口を出す奴は本当に<要・不要>の区別がついてねえよな。まあそうやって他者にマウント取って自分が気持ちよくなりたいだけなんだろうけどよ。
でもな、<一瞬の気持ちよさ>は、必ずしも幸せに繋がるわけじゃないってこともわきまえるんだな。そんなものは、酒に溺れて
ましてや路上で寝込んで財布とかを盗まれたり、酔っぱらって気が大きくなって事件を起こしたりってなったら、それこそただ自分で不幸を招き入れてるだけでしかない。
俺は酒で一時的に鬱憤をはらすなんてことじゃ納得できない人間だから、酒は飲まん。そもそも酒で理性を失ったら何するか分からないから怖いんだよ。酔っぱらって事件を起こしてそれで、
『酔ってて記憶がないから無罪だ!!』
とか主張したいわけでもない。てか、まさにこれがそうだろ。『自分がその<特殊な事情>側になった』ってヤツ。他所様の事情を考慮しない奴が、
『酔ってたから仕方ない! 事情を考慮してほしい!!』
みたいに泣き言並べたりしてたら、それこそ『何様だ?』としか思わねえな。
これこそ、
『他者には厳しいが自分には激烈に甘い』
ってヤツじゃねえか。
で、学校に行った羅美だったが、担任の教師からは、
「なんでお前みたいな奴のためにこんな面倒な……」
とか言われたらしい。
けどな、その担任は前の学校で不祥事やらかして、それで逃げるようにして今の学校に赴任してきたらしいんだよなあ。それこそ、
『不祥事やらかしたお前のために異動とかの手続きに骨を折ってくれたのがいたんじゃねえのかよ? そのお前がそれを言うか?』
という話だしな。
けどまあ、そういうタイプにゃ何を言っても無駄だし、理解してもらおうとも思わないさ。取り敢えず羅美が無事に三学期を終えられりゃそれでいいし、それ以上は期待してない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます