プロローグ3 異世界転生した親父は、やりたいことして生きる
「ショボーン」
告白に失敗して、派手に失恋してしまった親父。
その後、魔界の統治なんてまるでやる気が起こらず、少ない手勢を率いて、魔界から人界へ傷心旅行に出てしまった。
「奪い尽くせー、犯せー、お前の物は俺の物だー!」
傷心旅行ではあるが、何故か人界征服に乗り出す、強大なる魔王軍の侵略戦争になっていた。
少ない手勢と言っても、魔界統一を成し遂げた親父率いる手勢は、かつての自称魔王軍を、遥かに上回る戦力だ。
「フゲボラハー」
侵略戦争を始めた際、魔界から人界へ逃げ出した、元負け組の魔王とその手下たちがいたが、親父の軍勢にあっという間に飲み込まれ、擦り潰されてしまった。
その後、破竹の勢いで、人界を征服し続ける、親父率いる魔王軍。
瞬く間に人界の8割を征服して、人界統一も間近となった。
「これ以上の邪悪なる侵略は、我らが許しません」
だが、そんな親父たちの前に、立ち塞がる軍勢が現れる。
それは神々しき光を纏った、天使の軍勢。
人界を支配しようとする邪悪な
天使の軍勢は、人間の軍勢とは桁違いの力をもち、神々しき力は邪悪なる魔の群勢を……ウンタラカンタラ。
天使の軍勢を率いる女大天使は、邪悪なる
親父にとって、そんなことは全く持って、大変どうでもよろしい。
それよりも、この時の親父には一大事が起きていた。
「き、奇跡だ。あの女の子の胸とナノ単位でずれのない、完璧なサイズ。俺が至高とするオッパイだ。俺と結婚してくれ!」
「イヤアー、ま、魔王がなんで私に抱き付いてくるのよー!」
天使の軍勢を率いる女大天使だったが、親父が至高とする胸の保持者だった。
そしてこの時の親父は、過去の失恋から一つの悟りを得ていた。
「あの時の俺は押しが弱すぎた。夜這いを掛けたり、押し倒したり、後ろから抱き着いたりもしたが、それでもあの子に振られた。
だから、俺はもう二度と、同じ過ちをおこさん。
さあ、理想のオッパイを持つ女大天使よ。我色に染め抜いてくれる!
俺から逃げることなど、許さぬからなー」
悟りの内容とはただ一つ。
『過去に押しまくってダメだったので、今回は最後まで力ずくで行こう』だ。
「女大天使よ、我が妻となれ!」
「イヤだー!」
その後、親父と女大天使が、空を飛び回って大魔法の打ち合いを開始し、それに触発された天使の軍勢と、親父率いる魔界の軍勢の大決戦が開始された。
ただ、この時の戦いは決着がつくことなく、戦いは引き分けになってしまう。
女大天使長を、捕らえることもできなかった。
「野郎ども、魔界の軍勢を大動員するぞ。俺は至高のオッパイの為に、天界に殴り込みをかける!」
「「「ウオオオオオーーッ」」」
戦いに引き分けて魔界に戻ってきた親父は、傷心旅行で率いていた手勢ではらちが明かないと、魔界にいる大軍勢を動員して、今度はガチの征服戦争を開始した。
ちょっと小当たりしただけで、人界の残り2割の土地が征服され、魔界の軍勢はそのまま天界へ流れ込んで、『ヒャッハー』を開始する。
人間と違って、天使は1体1体は強力な力を持ち、魔界の軍勢とて、戦いで無傷とはいかなかった。
だが、互いに大きな傷を負いながらも、最後に勝利したのは親父だった。
ついに天界すらも、親父が征服してしまう。
「さあ、女大天使よ、我色に染め上げてくれる。
そして魔界、人界、天界の3界を統べる、世界の主たる俺様の妻となるのだ」
「クッ、この身はお前如きに汚されてよいものではない。殺せ!」
最後の戦いの後、ついに女大天使を捕らえた親父は、力尽くで我が物にした。
なお、親父にとっては大変どうでもいいことだが、世界にとっての大変事がひとつある。
天界で繰り広げられた征服戦争の途中、天使たちすら比べ物にならない、強大な力を持つ神がいたのだが、親父が激闘の末に滅ぼしている。
その際、親父のメインウエポンである元勇者の聖剣が、呪いの魔剣から、魔王の剣を経て、ついに神殺しの神剣と化してしまった。
神を殺した際、親父は人間をやめて(魔)神となったが、そんなことは親父にとって、マジでどうでもいい。
「それよりもオッパイだ。あのオッパイの為なら、俺は神を殺し、新たな神にだって成り代わろう」
そんな感じで、どこまでも至高のオッパイしか考えてない、ダメ人間だった。
この後親父は、女大天使を犯し堕とし、堕天させて、自身の妻にすることに成功する。
夫婦になった男と女がすることすれば、そこから出てくる結果も分かるだろう。
この2人の間から生まれたのが、俺だ。
ただ、俺が生まれてくる前の話には、もう少し続きがある。
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