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アルディア戦争。
北アルディアとガザホは湖を挟む国々だった。30年前湖で油田が見付かり、両国はその採掘を始めるが、両国はこの湖の独占権を主張する。このことが火種となり、戦争に発展した。当初、すぐに終わるかと思われたこの戦争であったが、石油を欲しがった周辺諸国や大国が両国のスポンサーになったため、戦争は泥沼化。終わらない戦乱が始まるのだった。
ガザホは長きにわたるこの戦争で兵力不足の解消のため、学徒兵や女性兵士の志願を積極的に受け付けていた。20歳になったリディは新聞でこのことを知り、次の日には窓口に立っていた。志願すればただで戦闘機に乗れるからだ。16の時に趣味でパイロットのライセンスを取っていたリディであったが、軍のパイロット応募資格の身長に5センチ足りなかった。彼女は申告書に噓を書いて志願した。このことは誰にも気付かれることはなく、3か月の候補生期間が始まった。
入校式の日、目の前の男性隊員に阻まれてリディは壇上が見えずにいた。いらだちを感じて彼女は蹴った。男は悲鳴を上げずに床に沈んだ。教官の挨拶がよく見えた。小さく丸まって涙目になって小さな声で男は言った。
「おまえ、なにすんだよ。」
「失礼。ちょっとっ見えなくて。」
男は立ち上がってリディの胸倉をつかんだ。そしてリディの目を見た。彼女は殴られるのを覚悟した。しかし、男はゆっくりと肩の力を抜いて元に戻った。
少しして式が終わると、リディのは会場の外に流れていく群衆の中から男を探した。周りを見渡しても見当たらない。ふと、入りぐちの扉の影を見ると男はそこでまだ痛がっていた。
「さっきはごめん」
「別に、身長で後悔するのはなれてる。」
「わたし、女だからってまけたくなくて。」
スワロウ マッピー @mtu_1997
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