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やがて、昼休みも半ばとなったところで、史都は有田くんから、ここ校舎の屋上に呼び出されました。
他の生徒たちが、お弁当を食べたり会話する姿も、ちらほら。そんな中、いま2人が、その一角に佇んでいます。
「…たまたま父の知人から、このチケットを2枚もらったんだ。で、史都ちゃんなら、この映画好きかなー…って思ってさ。もしよかったら、今度の休みの日に一緒に観に行かない?」
見れば、その有田くんが手にしたチケットには『SF巨大ケサランパサランの島』と印字されていますが…
「わ〜、この映画、観たかったんです〜」
だそうです。
どうやら史都は、微生物のみならず、
「ならよかった。じゃあ、行こうよ。ね?」
ちなみに、まだ史都から告白の返事を貰っていない有田くんは、実はこの機に、いよいよそれを彼女から…という目的もあります。
「はい〜、喜んで〜」
このニューヘッドも、やはり無表情なだけに、とても喜んでいるようには見えませんけどね。
「じゃあ、今度の日曜日の午前の部にしようか」
「はい〜、お任せします〜」
「なら、まずは10時頃に駅で待ち合わせしてから、あーたらこーたらさらまんだらー…」
かくして、史都と有田くんの初デートが決まりました。
が、そのデート。史都にアクシデントがあったばかりのせいか、これまた何かが起こりそうな気がして止みません。
果たして、どうなりますことやら…
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