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「起立っ。礼っ。着席っ」


 挨拶の後、朝のホームルームが始まりました。


 ところが、そこでクラス担任の伊佐坂先生が、あらためて教壇から生徒たちを一望した時のことです。


「あやっ? 君は、ウチのクラスの子じゃない…よね」


 濃紺のスーツ姿。その青〜中年教諭が、やや乗り出し気味に、史都に向かって尋ねました。


「いえ、先生〜…ワタシは楠です〜。実は、これこれしかじかで〜…」


 この度の事情をば、あらためて彼女が説明すれば、


「…ふむふむ、な〜るほど。そうだったのか」


 納得した様子の伊佐坂先生です。


 納得といえば、この史都の『暫定ニューヘッド』について、有田くんはどう思っているのでしょうか。


「いまの顔も凄くカワイイし、黒髪の史都ちゃんもまたいいよね」


 なるほど。有田くんは、とりあえず中身が史都なら、それでいいみたいです。


 

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