第14話 1人の彼女
ガラッ
「…っ!ひかる…さん?」
俺が開けたドアは2組の教室、咲菜ちゃんのいる教室だ。
「あ、ひかるさん、何か言い忘れてたんですか?」
咲菜ちゃんは俺が来たことに驚いたようで、何か用事があるのだろうと、私な訳がないというような顔だった。
俺は、
「違う。俺は咲菜ちゃんを選んだので、咲菜ちゃんのいる2組の教室に入りました。」
と言った。咲菜ちゃんはさっきよりも、もっと驚いていた。
「ほんと…なのですか?私を選んでくださったのですか…?」
咲菜ちゃんは涙目で俺に聞いた。
「そーだよっ、咲菜ちゃんを選んだ理由は、やっぱりお嬢様っていうのは少し気になるけど、どこでも冷静で入れるところとか、上品なところとか、ダメなこともあったけど俺のために動いてくれたりとか、そういう所を好きになったんだ。俺で良かったら、咲菜ちゃん…咲菜と付き合いたい。咲菜の気持ちを聞かせてください!」
俺は、咲菜に自分の気持ちをしっかり伝えた。1番に付き合い始めたなつきには少し悪いとは思うものの、俺には咲菜しかいないと思った。
「いいの?ほんとにいいの?」
咲菜が初めてタメ口になった。多分俺が呼び捨てで呼んだからその流れだろうと思ったが、内心嬉しかった。
「咲菜が、いいんだよ。」
そう俺は咲菜を見つめながら言うと、咲菜は泣きながら
「はいっ、お願いします…お願いします…。」
と言った。その時、なつきと一宮さんが俺たちのところに来て、
「咲菜ちゃんには叶わないわね、ひかる、あんた三股っていうすんごい経験して浮かれてるだろうけどもう浮気すんなよ!」
なつきは俺たちを素直に応援してくれた。
「なっ!何よ!あんだけ私とのデート楽しいとか言ってたくせに!最悪っ!次また三石が浮気したら許さないからね!今度は心を込めたビンタしてやるんだから!」
一宮さんは、悔しそうに叫んでいたが、応援してくれているんだろうと思い、
「なつき、一宮さん、咲菜、今まで本当に迷惑かけた。なつきと一宮さんには本当に感謝もしてるし、申し訳ない気持ちもある。俺が幸せにしてやれなくてごめんて思ってる。もし許してくれるなら、これからも友達として仲良くして欲しいんだ。」
俺はなつきと一宮さんに、お願いをした。
「もちろんよ?でもまた咲菜ちゃん以外に二股とかしてたら絶好だからね!」
なつきは怒りながらも返事してくれた。
「ふ、ふんっ!私の前で咲菜ちゃんとイチャイチャしなかったら別に良いわよ?イチャイチャなんて視界にも入れたくないからね!」
一宮さんも怒りながらだが、賛成してくれた。
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