第10話 バレた……
「あ、やっちまった…。」
「は?…二股?ちょ、ちょっと三石!どういうことよ?」
一宮さんは驚きが顔に出ていた。そりゃそうだ、二股して、その二股されてる彼女ふたりと一緒にいるからな。
「っ、てゆーかさ、2人なんとも思わないの!?二股されてるんだよ?」
一宮さんがなつきと咲菜ちゃんに聞いた。
「それはまた違う話しじゃゴラァァァァ!」
なつきは更に怒り出したが、咲菜ちゃんは無事に正気に戻り、段々一宮さんへの怒り方が半端なかった。
「そうだわ!同じクラスであるんですから彼女がいることぐらいご存知でしょう!?私たちだってまだキスもしてないのですよ!?ひかるさんにそんな軽々しく近づかないでください!」
咲菜ちゃんは怒りながら一宮さんの両肩を掴んだ。
「な!何よ!二股してるんだったら三股だってできるでしょ!?私だって軽々しく近づいてるんじゃないわよ!ちゃんと心の底から好きなの!確かに初めて話した時とか、今とか軽々しく行動してるって勘違いされるかもしれないけど、私なりに緊張しながら頑張ってるのよ!私の気持ちも知らないくせにそんなこと言わないでくれる!?」
一宮さんも俺への気持ちを熱弁してくれた。
「わかった!わかったから一旦みんな落ち着こう!このままじゃまともに話し合いできねぇよ!」
俺は3人をとりあえず止めて、なつきと咲菜ちゃんを帰らせてから、俺は一宮さんと少し話した。なつきと咲菜ちゃんは「絶対ダメ!」って言ってたけど、俺と一宮さんは2人きりで話したことがないからと渋々帰ってもらった。
「一宮さん、そのお騒がせしてごめん。」
「いや、こっちこそあんたの彼女に怒っちゃってごめん。でも、私は本当にあんたのことが好きだったの、軽々しく行動してるように見えたかもしれない。だから三石も相手にしてくれないのかなとか思った。私はちゃんとあんたが好きでアタックしてたんだけど、度が過ぎたみたいだわ。ほんとにごめん。」
一宮さんはさっきとは様子が変わり、申し訳なさそうに本心を話してくれた。それが何より嬉しかった。特に、遊びで俺に好きとか言ったり、キスしたりしてないんだなと嬉しく思った。
「そっか、ありがとう。俺も正直そんなアタックされたら気にはなるけど、これは好きかどうかまだ分からないし、ただでさえ二股してるのに三股なんて、なつきと咲菜ちゃんに悪いな。」
「…三股でも…良いじゃん…」
「ん?どうした?」
「三股でも良いじゃん!あの2人に悪いとは思うけど、三石だって私の事気になってるんでしょ?だったら、秘密で三股して欲しい…。」
一宮さんが衝撃なことを言ったので俺は驚き過ぎて「え…」としか言えなかった。すると、俺の気持ちに察したのか一宮さんは、
「ごめん、三股はさすがにダメか。あんたも2人を幸せにしたいもんね、余計な邪魔が入っちゃってごめん。」
そう言って一宮さんは帰ろうとした。
「待てよ!」
俺は何を考えてるのか一宮さんを止めた。
「え?何よ、他に何か言うことあったっけ?」
一宮さんは考えている様子だったけど、俺は、俺の正直な気持ちを言うことにした。
「一宮さん、好きだ!俺と付き合ってくれ!」
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