第8話 なつきと咲菜と…

「ひかるー!おはよう!」

「ひかるさん、おはようございます!」

「おう!2人ともおはよう!」

俺たちは3人で仲良くしてるのは違いないが、元々なつきと付き合っていることはみんなが知っているため咲菜ちゃんとも一緒にいると怪しまれるかもしれない。だから咲菜ちゃんには申し訳ないが、学校では俺となつきが共に行動し、行きや帰りは人気のないところで咲菜ちゃんと待ち合わせをしている。

咲菜ちゃんもなつきもその方が良いと賛成してくれた。

「さ!ひかる、かーえろっ」

「うん、そーだな!」

「んー、咲菜ちゃんはどこにいるかなぁ?」

「お、あそこにいる人じゃねーか?」

「あ!ほんとだー!咲菜ちゃーん!」

なつきは咲菜ちゃんの元へ走って行った。

俺はやれやれとだんだん遠くへ行き小さくなっていくなつきと咲菜ちゃんを和ましく見ていた。

「あの、三石ひかるだよね?」

同じクラスの女の子に話しかけられた。

「あ、うん、そーだけど。どーしたの?」

なつきと咲菜ちゃんは俺を呼んでいるが、こちらの話は聞こえない距離にいる。

「あの、なつきちゃんとお付き合いしてるのは分かってるんだけど、どうしても三石のことが好きなのよ!」

最後の告白の部分を大きな声で叫ばれてしまったため、なつきと咲菜ちゃんにもはっきり聞こえたようでこちらに急いで走って来た。

「ね!あんた!私とひかるが付き合ってるのわかって言ってるの!?」

なつきが怒りながら、その女の子に向かって言った。

「えぇ、そうだけど!?何か問題でも!?私の気持ちなんだから正直に言うべきよ!あなたに止められる筋合いはないわ!」

その女の子も中々の声量で言い返した。

「ふざけんじゃないわよ!そんな筋合いないなら、私の彼氏を奪う筋合いもないわよ!」

なつきはとうとう顔を赤くして怒った。

その時、その女の子は俺にキスをした…。

「んぇ?」

「は?」

「あら…」

俺ら3人はびっくりして固まっていた。

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