第7話 話し合い

あれから、なつきとは少しずつ話せるようになってきた。登下校もなつきが加わって3人で行くようになり、咲菜ちゃんは不満げな顔していたけど、なつきは俺しか見ないと言って咲菜ちゃんのことは気にもしていなかった。

「ひかる!お昼食べよ!」

「そうだな!」

俺となつきは更に仲良くなり咲菜ちゃんは今にも怒りそうな勢いだった。



ーその日の放課後ー

俺と咲菜ちゃんは教室で話していた。

「咲菜ちゃん」

「どーしたの?」

俺はなつきと仲直りしてくれるように、咲菜ちゃんに言った。

「なんですの?私はひかるさんを守ったのよ?なのになんでなつきさんの方に肩持ってる言い方するのかしら?」

咲菜ちゃんは少し怒った様子でそう言った。

「俺がなつきに叩かれたのを怒ってくれたのはもちろん嬉しいさ。でも、それでなつきを叩くのは少し違うんじゃないかと思うんだ。

なつきだって精一杯俺を好きでいてくれているのに、それを裏切ってるんだ。こんな立場で叩かれても文句は言えない。だから咲菜ちゃんに叩かれてなつきが怒るのは分かるんだ。咲菜ちゃんも自分の立場になって考えてみて。」

そういうと、咲菜ちゃんは、

「分かってたわよ。私が悪いってのは分かってたけど、好きな人が叩かれたら誰だって嫌じゃないかしら?」

「だから、俺も嫌だったんだよ。尚更、好きな人が好きな人を叩いてるんだからな。」

咲菜ちゃんは俺の言葉にハッとして、

「ごめんなさい、分かってるけど、ライバルに謝るなんて私のプライドが許さなかったのよ!なんで私が謝らないといけないの?ってな言ってしまったの。私は少し子供だったわ、なつきさんにも謝るわ。」

なつきに謝ると言ってくれて、俺は一安心した。



ー帰りー

俺たちは、3人で帰っていた。

「でね!友達がこんな感じでこんなことしてたの!面白いでしょう?」

そう言ってなつきは俺に話して笑っていた。

もちろん、咲菜ちゃんとは何も話さず俺とだけ話していた。その間咲菜ちゃんは話をするタイミングを見計らっていた。

「あの、な、なつきさん」

咲菜ちゃんから話しかけた。

「何?」

なつきはあの時、待ってると言っていたが、少し怒った顔で咲菜ちゃんを見ていた。

「なつきさん、音楽室で顔を叩いてしまってごめんなさい。あの時、なつきさんがひかるさんを叩いてるところを見たら許せなくてなつきさんに怒って叩いてしまったわ。あの時のことは心から反省してるわ、ごめんなさい。」

そう言って咲菜ちゃんはなつきに頭を下げた。するとなつきは、

「謝ってくれてありがとう。私こそ叩かれたことに怒って色々言ってしまってごめんね。仲直りしよう!」

なつきはまた笑顔になった。

「はいっ…仲直り、しましょう…。」

咲菜ちゃんは今までの申し訳なさが溢れたのかしばらく泣いてしまっていた。

そして俺は、

「これを踏まえて、なつき、咲菜ちゃんと二股すること認めてくれるか?」

俺は真剣に咲菜ちゃんとお願いをした。なつきは少し難しい顔で考えていたが、

「まぁ、前から私も考えてたけど、別に良いんじゃない?」と言ってくれた。

俺と咲菜ちゃんは喜び、何度もなつきにありがとうと言い、3人で仲良く帰った。


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