第3話 2人の彼女
ー帰りー
「で、どうだったの?何を話したの?」
ギクッ…
「やましいことでも話し…」
「全然話してないよ!前に学校休んでて分からないところがあるから教えてって言われただけだ!」
俺は焦りでなつきが言っている時にすかさず否定してしまった。
なつきは勘づいたのか、
「…その焦りよう、正直怪しいよ?」
と言い、俺の顔をのぞきこんだ。
「い、いやいや、怪しくない怪しくない!
ほ、ほんとだって!」
(同じクラスの咲菜と二股してるなんて言ったらどうなるか…。絶対バレねぇようにしねぇとな…。)
ー次の日の朝ー
「ほらひかる、行くよ」
「う、うん」
(なつき、昨日の話した時からずっと機嫌が悪い。咲菜との関係を怪しんでいるんだな。これが女の勘ってやつ。恐ろしい…。)
「な、なぁ、なつき」
「何?どうしたの?」
「そ、その、咲菜どのことが気になるか?」
そう聞くと、なつきは、
「な、何か、あったのかは知りたいけど、別にひかるが言いたくないなら言わないでいいよ。」
(くそっ!なつきにこんな心配させてまで隠しておく必要があるのか!?でも、こんなこと言ったらなつきがどんな気持ちになるか!)
「何があったって言うか、咲菜に、告白されて振っただけだ。」
「、そうなの?ほんとうに?」
「あぁ」
こんな話をしてる間に教室につき、また学校の準備をしていた。
「ひ、ひかるさん、おはよう…。」
早速、咲菜が話しかけてきた。
「あ、あぁおはよう…」
俺は焦った。生きてきた中で1番焦った。
するとなつきが来て、
「あら、咲菜ちゃん?おはよう、ひかると仲良くして頂いてるのね、よろしくー!」
といった。もちろん咲菜ちゃんは、俺たち2人が登下校一緒だから、付き合ってるのは勘づいているだろう。そんな咲菜ちゃんは、
「おはようなつきさん、今日は天気のいい日ね。ところで、なぜあなたがひかるさんの代わりにお礼なんて言うのかしら?意味がわからないですわ。」と言った。
ここから言い合いになり、放課後3人で音楽室で話し合うことになった。
さっきの焦りよりも何百倍と焦りが増している。
ー放課後ー
俺たちは音楽室に来た。
「それで、なつきさん?あなた私とひかるくんをここへ呼び出して一体何がしたいのかしら?私たちはこれから用事があるの」と咲菜が言った。
「ふぅん、この後用事があるなんて、ひかるから聞いてないので、別にいいでしょ?それに、あなたとひかるを『私たち』なんて一緒にされたら困るわ。私とひかるは付き合ってるんだから、あんたなんかと一緒にされてひかるもいい迷惑よ。」
咲菜が言ったことを倍にして返していくなつき。やはり恐ろしい。
「まぁまぁ、言い合いはここまでにして、咲菜、言いたいことは何なんだ?」
俺は咲菜となつきの言い合いを止め、咲菜の話を聞いた。
「あ、話なんだけど、今なつきさんはひかるさんとお付き合いしてると言ってますが、」
「ふんっ、それがどうしたのよ」
「私とひかるさんも昨日からお付き合いしてるんだけど」
「は、はぁ!?」
(あ、俺のモテ人生オワタ…。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます