4:身を守るスキルを取得しました!
:それじゃ、まずは安いスキルにはどんなものがあるのか見ていこうか
「安いスキルですね⋯⋯生活魔法みたいに便利で安い物だったら助かりますもんね!」
:そうそう、まずは100ポイント以下の物を見てみようか
「はい! どう言う系統が良いんでしょうか⋯⋯」
:うーん、察知系や収納スキルはあるなら欲しいとは思うけど、何かある?
「えーと察知系は⋯⋯」
・害意察知
このスキルを持った人間に対して悪意を持っている存在の視線などを察知する。
・存在察知
人や魔物関係無く生きていて、存在感のある物全てを察知する。
・危険察知
危険を感じる事が出来る。
「これくらいでしょうか」
:それは全部取ると何ポイント?
「全部100ポイントです!」
:なるほど、収納系は?
「えーと⋯⋯」
・空間収納(極小)
1㎥の空間に自由に収納出来る。
・ストレージ(極小)
10kgの重さまで自由に取り出しの出来るスキルで、取り出す際は取り出したい物を念じればいい。
魔力を少量消費する事でリスト化も可能。
「と言った感じになってます!」
:なるほど、ストレージは重さ制限がある代わりに自由度が高くて、使い方が上手ければ空間収納の方が容量は多い感じか
「私としてはストレージが良いと思いますけど、どうでしょうか?」
:うん、自由に取り出し出来るのは大きなメリットだし良いと思う
「そうなると、残りは何を取りましょうか⋯⋯」
:戦いや逃走に使えるスキルとか、どうかな?冒険者とかあってそれになるのなら強くなるのを目指しても良いんじゃないかな?
「私が強く⋯⋯」
:誰かを守るなら強くなるのも手だよ
「確かに、そうですね⋯⋯」
強ければ、お母さんやお父さんみたいな事にはならないはず。
誰にも負けないくらい、強くなれれば⋯⋯
:かと言って、無理して怪我したらダメだよ
「そうですね⋯⋯リサを困らせたくないですし、スキルで補完出来るようにしたいです」
:あっ!そうだ、回復魔法とかは無いの?
「回復魔法ですか?」
:怪我しても直ぐに治れば良いし、治療でお金稼いだりとかも出来るんじゃないかな
「た、確かに⋯⋯」
言われて見ればそうだな、と思った私は回復に関するスキルの一覧を見た。
「あっ、ありました!」
:おぉ、どんなスキルだったの?
「回復魔法Lv1って書いてあります!」
:Lv1で消費量は?
「50ポイントみたいですね!
Lv2だと追加で100ポイント必要みたいです」
:うん、じゃあ剣術とかは?
「その辺りは全部50ポイントみたいです!」
:技能系のLv1は全部50ポイント、レベル2は100ポイントって事はどんどん要求量が増えていくパターンっぽいね
「おぉ⋯⋯一瞬でそんな把握出来ちゃうなんて凄いです!」
:そ、そんな事ないよ。そういうのは結構見慣れてたからさ
「それじゃあ今回は察知系全部と、ストレージ(極小)、回復魔法Lv1、剣術Lv1で良かったですか?」
:うん、問題無いと思う。 もしまたスパチャ投げて貰えたら次は成長関連のスキルが欲しいところだね
「これだけあったら街で私も冒険者になれますか⋯⋯?」
:それは正直わからない、けどやってみるしか無いと思う。
:俺なんかでよければいつでも相談乗るからさ、頑張っていこう?
「はいっ! リサと一緒に美味しいご飯食べてのんびり過ごせるように頑張ります!」
:それじゃ、念の為に銀貨を取り出して街に行く用意でもしてみる?
「そうですね、そうします!」
アドバイスしてもらったこともあり、私はスパチャ残高をお金に変えると選択した。
銀貨1枚と念じて見るも、お金が出てくる気配は無い。
おかしいな? と思っていると目の前の薄い画面に本当に交換して良いですか、と表示された。
「あ、あれ?」
:どうかしたの?
「交換しても良いんですか?って表示が出てきたんですけど、どうすれば⋯⋯」
:そうか、スパチャは現金化するともうスパチャに戻せないのか! だったら一旦中止しよう!
「わ、わかりました!」
そして中止したいと念じると、スパチャ残高の交換は中断された。
:危ないところだった、街に入れないかもしれない状況でお金を出すのは危険すぎたから⋯⋯
「一応街の方の様子後で見てきても良いですか?」
:いつかは入らないといけないだろうし、良いと思うよ
「リサが起きたら一緒に行ってこようと思います!」
:うんうん、そうすると良いと思うよ
:少し、ご飯食べてくるから俺は一旦喋るのを止めるね
「はい、わかりました!」
そして、しばらくするとリサが起きたので、二人で一緒に街の方へ様子を見に行く事にした。
「門のある方に来るのは久しぶりだね⋯⋯」
「もんばんさん、怖いよおねえちゃん⋯⋯」
「大丈夫!今日は悪い事してないからね!」
「ほ、ほんと?」
「うん、だからい⋯⋯こ⋯⋯」
門の方向へ行くと、突然私の体がこれ以上近付いてはいけないと警鐘を鳴らし始めた。
「も、もしかしてこれが危険察知⋯⋯?」
一旦後ろに下がると警告のようなものも弱くなり、私はリサを連れて、再び森の方向へ行こうとした。
⋯⋯その時。
「何でここのギルドの依頼でここに来たのに、俺がこんな大金を払えだなんて頭がイかれてるんじゃねぇのか!?」
門の前で数人の大人の人達が門番と言い合いをしていた。
「これは見られ無い方が、いいよね?」
「リサ、ちょっと動くよ?」
「う、うん!」
リサの手を引いて私は再び森へと帰って行った。
「(何で、街からあんなに危険な雰囲気を感じたんだろう⋯⋯)」
私はそう心の中で考えながら、リサと一緒に走った。
♢(???視点)
「何でこんなにも入街税が高ぇんだよ!」
「決まりだからな、すまない」
「他の街だと大銅貨1枚とかなんだぞ!?それに何でここのギルドの依頼でここに来たのに、俺がこんな大金を払わないといけないとか頭がイかれてるんじゃねぇのか!?」
うちのパーティのリーダーのアルスが大きな声を出しながら、門番に突っかかっていた。
確かに色々とおかしい、最近いい噂を聞かないこの街だったけれど、ここまで酷いとは思わなかった。
「ねぇアルス、今回の依頼は破棄でも良いから帰らない?」
私がそうアルスに提案した瞬間、視線を感じた。
その視線を感じた方向を見ると小さな子供が二人で森へと走って行ったのを見つけてしまった。
「どうしてこんな所に子供が⋯⋯」
「どうしたんだエリナ」
「いや、今子供を見たの」
「子供? こんなクソみたいな街の周囲にか?」
「着ている服も一瞬だったけど、あまり良さそうでは無かったわ」
「まさか、孤児?」
「孤児だったとしても孤児院が無いと言うのはおかしな話よね」
「⋯⋯気になるのか?」
「⋯⋯正直、気になって仕方ないの」
「だったら付き合ってやるよ。
だから追いかけよう」
「えぇ、行きましょう!」
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