女神さま。「ママ活」に 沼る⑤
「
「政幸、って誰だ?」と妻に訊ねる
「? さ…、し…、…
「政幸、って誰だよ?」
「言ってません。とても心配だわ」
まさか、今まで会話をしていた僕の名前を忘れただなんて、ありえないだろ?
「おいおい…。そもそも、なんで いきなり 夫の名前を≪ケアレスミス≫みたく、
さらっと間違えられるんだい?」
――つまりだ、これはアレだな
『ママ活 掲示板』で既に漁っていた、きっとそうに違いない
登録して一週間も経つみたいだから、漁り終えたあとかもしれないな…
まずは、落ち着いて…
美羽が、白状するように会話で誘導してやれねば…
ぼくは、冷静に 沈着に。
深く呼吸をして。
そして、狡猾に彼女を
「夫に構われず、寂しくて…」
「それ、さっき『ママ活 掲示板』に載っていた言葉だろ?」
「日常に刺激が足りなくて…」
「こっちは、ありすぎて困ってるんですけどぉおおお?!」
――しまった! 思わず、ツッコミを入れてしまったじゃないか!
まさか、こんなに早くに僕の策を看破するとは、おそるベシッ!
「そりゃ、昴には『いつも専業主夫、お疲れー』なんて思っているわよ、私は
だから、私はいつも肯定してあげているじゃない
『専業主夫だってママ活で若い男子と絡みたい』と思うのは、普通のことなのよ」
「もう、、、言ってることがハチャメチャ過ぎて、
てか、途中から さらっと
「そうね。話をもとに戻しましょう」
「まずは、私たちが住んでいる文京区を中心にあたりましょう
昴さん。条件を絞り込んで、検索してちょうだい」
「あ、はい」 と思わず、答えてしまった
――策士、策に溺れる。ぼくは、なんて
急に仕事口調で言われると、同じ職場で仕事をしていた頃のように、
脊髄反射的に、言われるがままに、検索かけちゃったじゃないか
――なんで、夫が妻の不倫の手助けをしなきゃいけないんだよ……
情けない顔でスマホの画面を見ていると、結果が表示された
「あ、美羽さん。ふたり、あたったよ」
「ありがと。それじゃ、ふたりにアポイントを取っておいてちょうだい」
「りょうかいッ!」と、
つづく
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