女神さま。「ママ活」に 沼る②



―― モテ体験をしたい ――



学生の頃は誰しも、一度はそんな事を考えたことがあるんじゃないかな?

それは、男性だろうと女性だろうと、同じような事を考えるものだと僕は思う



この前振りは、決して彼女の行動を卑下ひげするモノではない


そう、これは「平成のオジサン」に捧げる、愛言葉、なのかもしれない・・・


 ◇


妻の名前は、美羽。 美しい羽とかいて、ミウと呼ぶ


天使のような名前に、女神さまのような容姿をしている


きっと、彼女の『モテ期』には、終わりなんてないのだろうと思う


男性に食事を誘われたら、ほいほいと付いていき、

当たり前のように食後のホテルまで付いていく


誘った男性からしてみれば、清水の舞台から飛び降りる覚悟で誘って、

彼女の反応を喜び、「俺の女」に出来た と感極まったことだろう


でも、彼女にとっては、1日だけの関係で、溜まった欲求の “はけ口” にしているだけなんだろうと、勝手に想像する


彼女の交友関係の広さにおどろき、モラルを貶し、冒瀆ぼうとくする人がたくさん居ただろうと

容易に想像できるくらい、モテる! 美人だ!


決して、妻への“のろけ”話ではないけど、彼女と “寝た” という男性を50人できかないくらい知っている。だけど、彼女への愛は変わらなかった


僕たちは、“晩婚”といっても良い年齢で結婚を決意した


美羽が、ちょうど40才になる誕生日に、婚姻届けを提出したんだ


結婚してしまえば、美羽の意識も変わるだろう



それに、40過ぎれば、オバサンだし、誰も寄って来ないだろう


・・・・・・


と、思っていた時期もありました。若気の至りだった、と今でも思う



はっきり言えば、彼女の魅力に驚かされた。ネオ・ホラーとでも言えば伝わるか?


・・・いや、飲めばオッサン。しゃべれば、下ネタ


そんな、性格底辺みたいな彼女なのに、


見た目に騙されて群がる人類ごみどもに、いつも胃が キリキリと させられているのだから、自分もたいそう変態なのだろうと思う


そんな彼女の-モテ期-は、いつになったら終わってくれるのだろうか?


これも、つい先日のことなんだけど――


いつまでも帰ってこなかった美羽が心配で、一晩中、妻の会社と自宅の道を何度も往復して探した事があった


そんな心配もよそに、妻のLINEから「お前の嫁さん、俺のとなりで寝てるぞ(笑)」と写真付きで僕のLINEに送られたメッセージ


「このアホっ」と拳を握りしめて、彼女を迎えに(元)同僚の家に殴り込みに行ったこともある

あとで事情を聴かされて、その(元)同僚に妻とふたりで謝罪に行ったっけかぁ・・・



とは言え、何度目かの不倫未遂に嫌気がさして、

ついには、「実家に帰らせていただきました」けれども、

2日で帰ってきてしまった 自分の意志の弱さに呆れてしまう


 ◇


・・・が、帰ってきて、見せつけられた、この状況ッ!


―― だッ、誰だよ、このイケメン高校生?! ――



「こんどは、どこで拾ってきたんだ?」


「えっ、と。どこでしょう?」




と、シラを切ろうとする


おまえ、いい加減にしろよ!と言いつつ、美羽のスマホを破壊する真似をする


 ◇


その後は、皆さまのご存知の話へと発展した


 ◇


下着1枚で、反省の意を表して正座をする美羽の姿


布団の中で、ハニカンダような笑顔の少年に、僕は視線を移す



「それじゃあ、全身を拝ませてもらおうじゃないのッ!」



と僕は、戦々恐々に布団をめくっていく


そこには、ベッドで寝かされている美少年の《等身大パネル》...


「はぁ…」


思いのほか? やはり? と言うべきか


上半身だけではなく、しっかりと全身が写り込んでいて、かなり大きい


「こんなパネル、いったい何処に置いてあったんだよ?」


「う~ん。どこでかしら~?

 すばるがいなくて寂しくて、ついよ、つい。ほんの出来心っていうの?」


悪く思っているのかさえ怪しい、美羽の顔を見ていると、

つい、ドキッ♡、っとしてしまう



-妻が悪いことをしたら、叱ってあげるのが、夫の役目-



そう自分に言い聞かせながらも、ついつい、顔がデレてくる


「この制服の高校生、どこかで見たような?」

「ほんとイケメンよね。思わず、し掛かりたくなるわよねぇ?」


という妻の言葉に、僕の瞳は 冷ややかな視線へと変わった


つづく


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