第3話
純が帰ってきたから早速純の部屋に乗り込
んだ。
「純!さっきの電話越しにいた女は何?」
部屋を開けるとすでに布団に入り込んでい
る純。
「あー、友達。オレ寝不足だから寝たいんだ
けど」
「はぁ、ってか私純の彼女なんだよね⁉︎」
その質問にめんどくさそうに純が言った。
「なんで女はすぐそのポジション欲しがるわ
け?」って。
えっ…
て事は…
私彼女じゃない…⁈
「純…この前どういうつもりで私にキスしたわけ?」
「えー、なんとなくしたんだけどー」
ムカッ。
なんだよそれ‼︎
「あんた、私をなんだと思ってんの⁉︎」
その返事がびっくりだった。
「おまえはさ、リモコンみたいなもんだな」
って。
ん⁇
便利って事?
それともなくてはならないって事?
「意味わかんない、純はテレビなわけ?」
「んなわけないじゃん。オレはテレビをみる
側。メインの女がいてサブがお前」
「は?二股宣言の挙句に私は、二番目って言
ってるようなもんじゃん」
「んー、そうならそうなんじゃん?」
「ふざけんな‼︎バカ純‼︎」
私は、リモコンを純に投げつけて帰ってき
た。
もー、あったまにくる‼︎
こうなったら純の事後悔させてやるんだか
ら‼︎
そして早速動き出す私。
とりあえず目障りな純から離れる為に一人
暮らしを始めた。
純は、髪の長い女の子が好きなんだよね。
私は、ずっと短かったからこれを期に伸ば
してみた。
少したるんできたお腹も引き締めるために
運動に励んだ。
そしたら、お腹もいい感じになったけど足
も細っそりした。
ほぼノーメイクでショートカット。ズボン
だった私は、清楚系メイクにワンピース。
ロングヘアーに早変わり。
久々の実家。
もしかしたら、純にあうかもしれないから
ばっちりキメキメで。
でも、純じゃなくて純のおかあさんにあっ
た。
「あらー、ナッちゃん。かわいくなってー」
おばちゃんは、いい人だ。
早速褒めてくれた。
久々の家でくつろいだ。
用事も済んだし、帰るか。
純に、会わなかったな。
そう思ってたら、純が玄関からでてきた。
そして、
私を見るなり、
「あー、ナツおかえり」
なんてそっけなくいいすぐに自分家に帰っ
て行った。
なんだあれ?
意味不明な行動だったけど、とりあえず私
が変わった事をみてもらえてよかった。
相変わらず純は、女をとっかえひっかえだ
そう。
うちのお母さんと純のおばちゃんは、仲良
しだからそんな情報は、筒抜けだ。
で、帰ろうとしたら、また出てきて
「おまえさ、オレのテレビにしてやろうか?」
なんて言ってきた。
「バーカ。私は、あんたみたいな二股男ごめ
んなんだよ」
と、冷たくあしらった。
テレビって事は、リモコンもいるって事で
しょ。
メインの彼女だけど浮気しますよって言っ
てるようなもんじゃん。
ってか、二股どころじゃない気がするし。
「おい!まてよ!聞いてんのかよ‼︎」
ふーんだ。
振り返りもせず手だけ振った。
なんかスッキリしたー‼︎
もう騙されないんだから‼︎
そして、
そんな奴相手にする事なく、私は無事素敵
な、優しいパートナーと結婚した。
たまに実家に帰ると純が車を洗っている。
髪の毛がボサボサでだらしない体型…
モテていたあの頃とは、比べものにならな
いくらい変わり果てていた。
仕事もいつも長続きしないんだって。
これは、お母さん情報だけどね。
幼馴染は、結局血が繋がらない他人だ。
産まれながらにして、同い年で隣のお家。
運命。
なんて昔は、思ってだけどそんな事ない。
よっぽど、今の旦那さんと出会う確率の方
が低い。
そこで出会って結ばれるんだから、よっぽ
どこっちの方が運命だわ。
あんな奴に執着しなくてよかったー。
さて、ジョギングも終わったしトイレ掃除
でもしよっかな。
おしまい。
クズな幼馴染 猫の集会 @2066-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます