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「そうだったのですか」

「今だから言うけどさ、守はほんとにスキ見せすぎでさ、誰にでもニコニコしちゃってさ、相手に勘違いさせちゃうんだよ。とりあえず変態的なラブレターは朝下駄箱見てみて軒並み処分した。1日三回は見たかな。朝と、お昼休みと守が帰る前。まぁ、よくも出すわと思うような馬鹿ばっかり。まぁ普通そうな女の子のは少しだけ残したけど、変態野郎のが多かったかな。で、待ち合わせ場所に行って、全員絞めた」

「……凄いな」

 隆二は驚いたそうだ。でも僕のことだからありえる話でもあるって。


 酷いな隆二。


「変態野郎ってどんな……?」


 隆二は恐る恐る聞いたそうだ。可憐は頭をかく。


「そんなん聞きたいの? 気持ち悪くなるだけだよ?」

「しかし、可憐さんが守のせいでその分沢山嫌な思いをしたのだと思うと……少しでも誰かに話した方が楽になるんじゃないかと思って……」


 うーんと頭を抱えると可憐は隆二に視線を送ったそうだ。


「あのさ、それを話す前にあたしもアンタから聞きたいことがある。あんたさ、妹なんてほんとはいやしないんだろ?」

 可憐の鋭い指摘に思わず隆二は一瞬固まったって。


「うーん。わかったわかった。みなまで言わないでも。あんたが、守のコレなんだろ?」


 可憐は隆二に向けて小指を立てた。


「……お姉さんには嘘はつけませんね」


「だろうと思ったよ。いや、最初はそう思わなかったんだけどさ、なんていうか……あんたの守に対する態度と視線がさ。もう違うからさ」

「そんな違いますか?」

「うん。すっごい優しい視線で見るんだなって、守もさ、なんだか安心しちゃっててさ。あんたたちの間には誰もいないって思ったんだ」

 

 可憐は僕と隆二とのこと隆二が覚悟していたよりは拒否反応を示さなかったらしい。


「うーん。まぁ、そうだねぇ。恋人のあんたには話してもいっかな。たぶんあたしといやあたし以上に思うことはあると思うだろうから。例えばね守の靴の中に守の隠し撮りした写真入れて、そこに体液が撒かれてたりね。会いたいとか抱きしめたいとかキスしたいとかもう見るに耐えない文章でさ、そんなくだらない手紙書く奴は全部炙りだして全員ぼこぼこにしてやった。……あたしが本格的に合気道にのめり込んだのも守があんなんだからあたしが護らなきゃと思ったんだ」


 可憐はそんなことを言っていたのか……。

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