第22話 陰謀の渦巻き

温泉リゾートでさっぱりした私達は再び王都に向かうのであった。


私「いゃ〜久々の温泉は本当に良かったです。お陰様でさっぱりしましたよ。二人とも肌ツヤツヤだったし良かったよな?」

パルガ、マヤ「「は、はい…良かったですぅ…」」


ホールン子爵「それはそれは、ご案内した甲斐がありましたね。」


馬車は振動も少なく軽やかに道を進んでいる。北の山々が遠のいていくのを見て、直ぐに戻ってくると考える私だった。



それはそうと、昨日起こった事をちょっと調べた。

ただの間違いなのか、計画されたものなのかだ。目の前にいるホールン子爵の企みなのか?



私がこの娘達をどう扱ってるのかはある程度理解している筈。

それを踏まえて弱みを作って私を裏から操作するつもりだった可能性もある。


深夜に売春組織の上の奴らから訪問しては頭の中を掻き混ぜて事実を調べた。


直ぐに裏が取れたのは良かったと言うべきかな。

世界の外から来た神の中には人の欲情や色欲、売春を司る神がいたのだ。


【シトリー】

捜査してる最中にそのシトリー神像が売春組織の本部地下広場に祀られてあるのを見つけた。


まさかと思いながら神像を注視した瞬間だった。

『その子達は喜んでいたわ?

なぁに、少しの余興だったのさ。』



私「お前があんな事を仕掛けたのか?【シトリー】!」



『まだ人間の体に馴染めなかったみたいだから、ほぐしてやったのさ。

あなたの欲望とその子らが望む先が見えたのよ。

私は少しそれの手伝いをしただけだわ。』


私「勝手な事を喋るな。お前に頼んだ覚えはない。」


『実際その子ら、良く反応する体になったであろう?素直に主人の全てを受け入れる様にねー。』



くっ!反論が出来ん!確かにあの変わりようは凄かった。


私「そうさせるのもさせないのも私が決める。余計な事をするな!」



『あら怖いわ。

私はあなたの様に力強くないのよ。喧嘩はしたくないわ。

私はあなたとお近づきになりたいだけよ。』


私「私と⁉︎ 外の神のお前が何故私に?」



『あなたは何も分かって無いわね。あなたは今この世界[バランデール]で未知の力を潜めながら創造神の権能を、それも強き権能を持つ存在なのよ。

今のあなたはこの世界でどの神よりも強い影響力を駆使出来るわ。


それに今の貴方なら神像に隠れてる私も引っ張り出せるでしょう?』



私「あ、多分な。」


『呆れたわ。そんな力を持っていながらなんでわざわざ人助けなどしようとするのかしら。

ずっとここに居れば、私自らあなたの欲望の受け皿になるわ。

どんなプレイでもOKよ。」


私「そろそろ顔出さないと話にならんぞ。」


『殴らない?痛いの嫌よ。でもプレイ中なら良いかも』

私「殴らない。怒らないから。」



神像の前に光で出来た門の形が現れ始めた。

【ゲート】だ。今はシトリーと私の双方の力によりゲートの安定性は非常に高まっていた。



ゲートが開いた。そこから恐る恐るこちらを覗き込む人影。

シトリー「じ、実際に見るともっと凄いわね。そんなに強く見つめちゃうと出にくいわよ。」



リコ「マスター、マナ噴出量が異常に高いです。隠しきれません。」

私「おっと、失礼した。」

後から聞いた話だと、シトリーから見た私は青い炎の様なオーラで全身を燃やすかの様な姿だったらしい。


落ち着きを取り戻し、マナの流れを安定させていた。


それから現れたシトリー、いわゆる色欲と欲望の神は、ウェーブのかかった濃いブロンドヘアの髪を後ろで巻き上げ、魅力的な赤い唇に、豊満な体のラインがハッキリわかる黒いワンピースの様な服装をしていた。


凄くセクシーなのに下品な感じがしない。寧ろ熟された女体は気品ある切なささえ放つ様な仕草をしていた。


見た瞬間、体が熱くなるのを感じた。あの体を貪り尽くしたい気持ちに駆られる!鷲掴みにして無茶苦茶にしたい!


私「なんだお前、ミルフみたいな体してるな。」

シトリー「これもあなたが望む姿なのよ。

人妻寝取るのが好きな様ね。あ・な・た。」


落ち着け私!これは、これは、やつの罠だ!騙されてはならん!


欲望の神が私の耳に囁く。

シトリー「私、今日あなたに会えると思って前も後ろも綺麗にしてきたの…つるつるよ。触ってみる?」


シトリーの首の後ろに手を回し、すぐさま唇を合わせた。



「んっ…うっ、うんっ…」

時間が止まったかの様な空間での長いディープキス。


シトリー「ちょっと待って…私こんなはずじゃ、あなたのキスで力が抜けるわ。」

私「お前の体がそうなったのは誰のせいだと思う?」

シトリー「!いやっ!いやよ!こんなの私じゃないわ!」

私「夜は長いんだ。互いを良く知ろうではないか。」



生意気な欲望の神はしっかりお仕置きしないとな。










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る