第18話 王都からの使者(2)

グレイトボア二匹にワイルドボア4匹が今日の収穫だ。

これで暫くは村の畑を荒らされる心配は無さそうだ。


魔石や牙を除いて村の広場で村人をを集めて解体し始めた。

私達はその間に体を洗う。

村の近くに沢がある。その横の空間に窪みを作り石を敷き詰めて3人が入れるくらいの簡易お風呂を作った。

パルガが入れば1分も過ぎない内に45℃くらいになる。


良い湯だ。最高の露天風呂だな。

せっかくだし拠点を作るときは温泉が出る場所が良いな。


私「パルガ、力のコントロールが上手くなったな。」

パルガ「ありがとうございます。ご主人様。」

パルガの顔が嬉しそうにしてる。


マヤ、君も頑張ったんだだからそんな顔しなくて良い。武器の扱いは確かにパルガには劣るが、力の集中とコントロールさえ成長すれば何も問題ないのだ。

君はこれからも色々覚えてもらう。


マヤは接近戦よりは遠距離戦が得意分野と見える。

しかしある程度は敵が近ついた時の自衛手段は備えるべきた。

その上、強みはより伸ばしていく。

最終的にマヤのあの有り余る電力の力を使ってレールガンを持したら空飛ぶ戦艦となる。


超長射程武器をぶっ放すドラゴンか、夢があるな。

それも特性に左右されない物理弾道だ。敵には悪夢だろう。


神竜と進化した後は敵となる存在はそうも居ないはずだ。

まだまだ君は自分自身の能力に気づいてないのだよ。可愛いな。

と少しイチャイチャな時間を楽しむのであった。

………………………



そろそろ湯上がりのタイミングだ。着替えをして広場に向かう。

今日は宴会だな。それと同時に干し肉の準備も行ってる。

乾燥した冷たい風が吹くこの辺りにはよく行われる事で村の人々は慣れた手つきで作業を行う。


こうする事に彼らには作業代どして肉を渡せる。正当な労働の対価としてな。

皮は加工して商団が来れば売り付けて村の資金として使う。

勿論投資という名目だ。


本来解体などリコに任せれば済むし、インベントリに入れておけばいつまでも鮮度を持つ。

但しそれでは村の経済は回らない。

私が今にでも金が無くて困ってたら考えも変わったかもしれんが。



広場に焚き火が燃えてる。火の動きは見ていて本当に飽きない。ずっと見てられる。お肉が焼けた様だ。皆んなでワイワイとして食べよう。

内臓の煮込みはあともう少しで食べれそうだ。蜂蜜酒が美味い。



数日前から村人が山に入っての作業が増えた。山菜とり薬草とり薪用の伐採、ツノ兎の狩などなど。

危険なモンスターや山賊が減れば村人も山に入って作業がしやすくなる。


やり過ぎるとバランスが偏るのだが、今までが放置し過ぎた。

暫くは大丈夫だろう。



村長「ヤガミさんが来て7日くらいですね。その間に村は驚きの連続でした。

山賊の住処を討伐してくださいまして本当に村人皆んなは感謝してます。その上モンスターの駆除までして頂き、安心して仕事が出来ます。全部ヤガミさんのおかげです。」


私「私達は得意とする事をやったまでです。山賊を討伐したってパンは焼けれないし、モンスターを駆除しても美味い干し肉やもつ煮込みは作れませんからね。結局は地味と思われる仕事をやる人達のおかげでこの世界は維持されていくんだなと思います。

今日もうまい食事を準備してくれた村人さん達に感謝します。

村長にも感謝してます。」


村長「そんな事言われましたら…」

私「今日も嬉しい1日ではないですか。涙なんて勿体無いですよ。さぁさぁカンパイと行きましょう。」

村長「すみません。歳をとると涙脆くなりまして、カンパイしましょう!」

………………………



翌日朝、私達は関所を超えて大陸北側に行く為に砦へと向かうのだった。


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