第7話こうなったら骨の髄までしゃぶってやる。
深く息を吸う、そして吐く。
「ふぅぅぅーー」
青い空を見て頭を整理する。
こうなる事はある程度は予想出来た。
しかし主神ではなく創造神が出た事は流石に驚いたがね。
神にも悪魔にもなれる可能性か…やれやれ。
もともと穏やかにとか平凡な日常を楽しみたいとかそんな願望はない。
一切ないと言えば嘘になるかもしれないが、週末くらい落ち着けば良いんじゃないか?
そんでもって先ずは目の前の事を片付けよう。
『女神フレイヤ』
創造神が作り出した主神達の1人。
主に美を司る神として有名で、本人以外の美しいものにもその加護を与えるとも言う。
本来の意味もそうだが、美の基準は人それぞれなので、結構な勘違い野郎達の信仰の対象にもなってるみたいだ。
『バランデール』と呼ばれるこの世界は帝国が長年力を持っており、その帝国に信者が多いとの事。
プリストの様な服装だが、胸のボリュームを隠そうとしない。腰からお尻に流れるラインも綺麗なシルエットを描いてる。
決して露出度は高めでは無いが、品の良い美しさを遺憾なく表してる。
但し、私の目の前にいるフレイヤは幼い少女の姿をしている。
身長185の自分からしてみれば胸の辺りに丁度頭が来るくらいだ。
地球の価値観だとJKと言うくらいかな?色気も何もありゃしない。
しかし顔は流石に美人だな。幼さを感じながらもその美しさはこの世のものとは思えない。当然だが。
神が人間界に姿を表すにはそれなりのエネルギーが必要の様だ。
まあ、省エネモードと勝手に理解してしまおう。
フレイヤ「なに?なんでじっーと見てんのよ。さーてはこの私にひと目で惚れてしまったのね?
ふっ、ふっ、ふっ!哀れな異界の存在よ。
この私の美しさに感動のあまりに咽び泣くが良いわ〜。
そして頭が高い 控えおろうー。」
「パコーン!」
フレイヤ「いたーいっ!また殴った!お父様にもぶたれたことないのに!」
私「出せ。」
フレイヤ「な、なによ?」
私「出せるものならなんでも出せ。
こちらはこの世界に来て間もないんだ。君のお父さんの頼み事を聞くにもこちらとしては余裕がない。
先ずはお金を何とかしろ(脅迫)」
フレイヤ「そ、そう言われても私、人間達のお金なんか持ってないし。」
私「信者達の献金があるだろ。
この世界の安定を願う為なのだ。
君のお父さんの為と言うのは即ち君達の為でもある。そう思わないか?(説得)」
フレイヤ「そ、そうね。お父様もきっと喜ぶわ。」
私「そうなんだよフレイヤ。君の様な賢明な娘を持ったお父さんが羨ましいよ。はっはっは!」
リコ「警告、マスター。凄く悪人の顔になってます。」
フレイヤ「えへへっ、そうかな?そうなのかな。えーいっ!」
そう微笑んだフレイヤが何かのジェスチャーをする。魔法少女がステッキを使う時の姿と似てる。
リコ「空間の歪みを認知。座標出します。」
私「リコ。亜空間スペースを開いておけ。位置は神棚の真上だ。
リコ「サーイエッサー。」
間も無くして空からゴールド(帝国貨幣)の雨が降り注ぐ。それは降るやいなや直ぐに亜空間スペースに収納されて行き、地べたに落ちる事は無かった。
この時、各神殿の神官達に神託が下りるのであった。
「世界の為にその財宝を捧げよ」
後に大陸全体で行われた宗教施設の財政透明化のきっかけとなった事の始まりだった。
司祭「大神官様!大変です!保管庫にあった献金が半分くらいになってしまいました!」
大神官「神のお告げだわ。
我々は何を今まで愚かな事をしたのかしら。
財宝を貯めても世の中の為にはならないわ。
会計室の責任者を呼びなさい!
苦しんでる民の為に食料の支援を行うとね!」
司祭「ははッ!直ちに!」
私「嘘は言ってねーぞ。嘘はな。」
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