第6話「やあ!女神だよー!可愛いでしょう?ところでやってもらいたい事があるんだけど、地図に印付けてあるから。」

少女「ヤッホー!フレイヤでーす!女神でーす!ちょっ待って、ちょっ待ってよぉ!」



私「断る!」

フレイヤ「えー⁉︎また何も言ってない!」



私「だが断る!」

フレイヤ「なんで?なんで⁉︎なんで⁉︎私女神だよ?美を司る女神だよ?」



私「そうでしたか。急いでるもので、では。」

フレイヤ「また何も言ってないってば!聞いてよ!ね、ね!」




私「はぁぁぁー。その美を司る女神様が私に何の用かな?」



フレイヤ「お父様がね!あなたに頼みたい事があるから、私が伝えに来たの!どうよ?もう嬉しくて感激したでしょう?」



私「君のお父さんだったら創造神の事か。」



フレイヤ「へぇー!知ってるんだ!流石はお父様!異界からの訪問者もその偉大さに気付くわけね。苦しゅうない。えっへん!」、「痛い!痛い!痛いってば!」



私「調子に乗るな。まだ君のお父さんに従うと誓った覚えは無い。」



フレイヤ「この世の何処に女神の頬をつねる不敬者がいるのよ!酷ーい!」




私「流石は美の女神。つねられても尚美しさが増すとはな。」


フレイヤ「???あ。えへへ、そうでしょ?そうでしょ?もっと崇めなさいよ。」




リコ「高次元のアストラル体と認識。マスター、彼女は恐らく。」


私「ああ、間違いなく女神だろう。」




私「フレイヤ。創造神からの伝言を頼まれてるんだろう?」


フレイヤ「そうだった!ハイ、これ!」




これって凄い超レアアイテムの金ピカの巻物だな、うん。


なる程、こういう形でねー。


考える間も無くフレイヤが私の目の前に巻物を開くと共に眩い光に全身が包まれていく。



私「うおーいきなり眩しい!」



???『よく来てくれた。異界の存在よ。』



それはもの凄い膨大な光の中から伝わって来た。


音と言うより光の波紋の様な感覚を感じる。


その眩い光の限界には漆黒の闇があり、光は今にでもその闇を食い尽くすかの様に膨張して行く。




私の感覚が私では無いような。


これが創造神の領域なのか。




私「初めまして、どうかお手柔らかにお願い致します。」


創造神『随分と礼儀正しい。もっと楽に話しても良い。』



私「自分をこの世界に呼び出したのはあなたなんですか?」



創造神『そうでもあれば、そうでも無い。君は私が想像した存在であれば、そうでも無い。』




私「つまりはこの事が起きたのは私自身の意思でもあり、この世界の意思でもあったと言う事でしょうか?



そして自分の存在意義はこの世界が求める結果になるか、それとは違う結果になるかは自分自身の判断による影響が大きいと仰るのですか?」




創造神『君に頼みたい事がある。』




ずばり当てすぎて答える必要さえ感じないんですかね。


多分聞こえるでしょうからこれまでにします、はい。



私「自分に出来る範囲であれば。」



創造神『今、この世界では本来存在し得ない神による混沌が続いてる。


ただそれを招いたのもこの世界の存在である。』




私「本来排除すべき存在だったのが、この世界の住民に認知されその存在感を増して来たので、そのバランスを取る誰かが必要と言う訳ですか?


しかし、居るでは無いですか?


その使命を果たすべき人間が。」




創造神『今になっては君の存在がなければこの世界を維持するのは難しい。だが因果律の働きにより、君に強制は出来ない。』




私「それは私の行動に干渉は出来ないが、なるべくこの世界を良き方向に導く形での判断をして欲しいと。」




創造神『私が出来うる限りの加護を君に与えよう。』




その言葉を境に




光が、光が溢れてゆく。








…マスター




…マスター




「マスター」




リコ「マスター、意識を戻しました。」




私「おおっと⁉︎ なんた!リコか!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る