第8話リコ「マスター、鼻の下が伸びてます。」

SYSTEM


「創造神の加護を受けました。」


「マナハートが生成されました。インストールしますか?」




YESっと。


「マナハートのインストールによりマナの使用並びに習得が可能になりました。」


「マナ解放により魔法スキルツリーの解放を行います。」


「破壊魔法ツリーを解放しました。」


「回復魔法ツリーを解放しました。」


「変性魔法ツリーを解放しました。」


「幻惑魔法ツリーを解放しました。」


「召喚魔法ツリーを解放しました。」


「各魔法の初期呪文を習得しました。」「…」「…」「…」




これはわかっていた知識ではある。しかし私が魔法を使えるかどうかは疑問だった。


私自身がSF世界観から来た異界の存在として扱われた為、この世界の秩序を乱す事になりかねなかったのだ。


『創造神の加護』のおかげかな。




まだどの様な作用をするのか謎は多い。


『創造神の加護』


・マナハートの生成


・初級ゲートの生成可能


・???


・???


・???


・???


・???


・???


・神族に対しての物理力行使が可能




………これってもしや……


やっべー機能付いてるなおい!


良いのか?本来神と言うのは物理力は通じない。


その概念を捻じ曲げられる存在だからだ。


この世界に現れる為に何かの媒体を使うなり、召喚されるなどの場合を除いてだ。


それも相手が肉体を持たない精神体だったら尚難しいし、本体に対する影響も僅かだったりする。




あの創造神は私に希望を託すつもりなのかは知らないが、これぞ諸刃の剣と言う訳だ。




うむ…


見なかった事にするか…


とフレイヤの頭を撫でながら思う私だった。




私「よし。いい子、いい子♪」


フレイヤ「えへへ ♫」




SYSTEM「女神フレイヤが喜んでます。」




私「おかげで助かったよ。また何かあれば神殿か神像がある場所に行けば良いかな?」


フレイヤ「そうだよ。私神殿多いもん!」




私「わかった。お父さんには色々便宜を図ってくれた事を感謝してると伝えて欲しい。


これも全てフレイヤ、君のおかげだ。」


フレイヤ「うん。わかった!お父様に伝える!」




そして私は亜空間スペースから一つのものを出した。


フレイヤ「なにそれ⁉︎美しいー‼︎」




それはラウンド・ブリリアントカットされた50カラット程のダイヤモンドのネックレスだった。


ゲーム内での制作スキルを使って作ったものだ。




アクセサリーはエンチャント効果付与の為に欠かせない。


これはその中の一つだ。


現実では買える訳がない。


確率は低いがこまめに採掘すれば割と材料は揃う。


この世界にはまだこの様なカッティング技術は無いはずだ。


フレイヤの反応から察するのは難しくない。




私「これは私から君に対しての感謝の気持ちだ。受け取れるならそうして欲しい。」


フレイヤ「いいの⁉︎本当にいいの⁉︎」


私「ああ、勿論さ。君に捧げる供物と思ってくれたら良い。ありがとう。」


フレイヤ「わーい!わーい!ありがとうアキラ!大事にする!」




SYSTEM「女神フレイヤが凄く喜んでます。」






私「じゃあな、フレイヤ。また会おう。」


フレイヤ「またねー!」




フレイヤの周辺に光の輪が現れながらフレイヤが光と化して行く。


眩しいと思った瞬間、光の柱のような軌跡を残し消えていた。




リコ「高出力のマナストームを観測しました。」






気を取り直し、サイラスを装着して街を目指す私だった。




暗くなる前には宿に着きたい。






因みにだが、その後この大陸に位置するフレイヤ教の総本山である、帝国大神殿で『聖物』が現れた事により大騒ぎになるのであった。

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